ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

インディアンと小春

2017-11-19 | アメリカ事情

おそらく最後に見かけたのは、1970年代後半のことだっただろうか。何を、と言うと、ちいさなちいさな酸っぱいリンゴのcrabapplesを煮立たせた酢と砂糖に入れ、クローブ(丁字)やシナモンステイックを足してから、煮て作るspiced crabapplesのことで、よく豚肉料理などの付け合わせに皿の上に乗っていたものである。羊肉にはミントジェリー、豚肉の付け合わせには、リンゴ(アップルソースやアップルジェリー)が定番だが、最近はレストランでそういう付け合わせは見なくなった。 私が来米した頃は、まだレストランでの食事や、家庭料理でもこうした付け合わせはあったものだ。こんなところにも流行り廃りがあるものなのだろう。


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crabapplesは、北半球の温帯ならばアジアから欧米に植生。

 

 

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これが、そのspiced crabapplesを付け合わせた豚肉のローストのサーヴィング例

 

 

普通のアップルソースは勿論今でもあり、子供のランチサックやボックスに入れられるよう小さなパッケージでも売っている。アップルソースは家庭でも簡単に作られるが、下の写真は、Indian Summer Applesauce インディアン・サマー・アップルソースと呼ばれる。通常のアップルソースに濃い色のプラムを混ぜて作る物で、シナモンやナットメッグを加えている。さて、このIndian Summerとは、何を意味するのだろうか?


https://www.almanac.com

 

 

そもそもIndian Summer・インディアン・サマーとは? 合衆国では、過去200年も言われてきたことだそうで、11月11日が、カソリック教会の言う聖マーティンの日で、その日から11月20日までに起こる(かもしれない)暖かい日、日本語で言えば、小春日和、のことである。例のアルムナックによれば、「万聖節の11月1日に、万聖人が冬を持ってくるなら、11月11日の聖マーティンが、Indian Summer・インディアン・サマーを持ってくる」が持論だそうだ。

Indian Summer・インディアン・サマーには、次のような言われがある。「西南をつかさどる神、Cautantowwit(コウタンタウウィット)が、その宮居から暖かい風を吹かせる」と言う、初期アメリカ原住民のアルゴンキン族の言い伝えに由来する。尤もらしい言われは、ニューイングランドの初期の植民地時代に遡るらしい。冬場は、砦の柵の外へ武装せずに出られるので、毎年10月末の冬らしい季節の到来を歓迎したそうだ。そしてたまにある突然の暖かな日は、原住民が本格的な冬の前にもう一度砦を襲おうとしたそうだから、インディアンサマーと言うらしい。これに、すこし真実味がある。

どちらにしても、これから冬が本格的になる寸前にそうした和らいだ日々があるのは、特に冬の厳しい州では、冬への準備に少し余裕を持たさせてくれるのかもしれない。私の住む州は、ほとんど一年中温暖とは言え、氷点下になることもあるが、ホワイトクリスマスは、まずない。だから降雪地帯の北東部、中西部、北西部の州から、snowbirds(冬の鳥)と呼ばれる、主に引退した人々が、避寒のため、晩秋から続々とフロリダ州、テキサス州、アリゾナ州、そしてカリフォルニア州へやってくる。日本では聞いたことのない、渡り人現象である。


コメント
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