ロバート・ケネディ・ジュニア氏は名門ケネディ家の一員だ(9日、米東部ペンシルベニア州)=ロイター
【ワシントン=中村亮】2024年の米大統領選をめぐりロバート・ケネディ・ジュニア氏は9日、民主党の指名候補争いから撤退して無所属で出馬すると発表した。
接戦の大統領選で第三極の候補に票が集まれば結果を左右する可能性がある。
同氏は名門ケネディ家の一員で、故ロバート・ケネディ元司法長官の息子。4月に民主党の指名候補争いに出馬すると表明していた。新型コロナウイルスのワクチンに反対の立場をとって議論を呼んだ。
米大統領選は民主党と共和党の候補が事実上の一騎打ちで競い、第三極の候補が注目を浴びるケースは少ない。
一方で民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の再戦となれば、両者をともに支持しない有権者が第三極に流れるとの見方がある。
大統領選のカギを握る激戦州は僅差で結果が決まる公算が大きい。ケネディ氏のような第三極が両党の候補からどれぐらいの票を奪うかによって、最終結果に影響が出るシナリオが考えられる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはケネディ氏に関し「潜在的な妨害者」と評した。「誰から支持を奪う可能性があるのか判然としない」と分析。両党から票を取る可能性があり、波乱の芽になるシナリオに触れた。
同紙が最近実施した世論調査によると48%の共和党支持者がケネディ氏に好意的な見方を示し、民主党支持者(21%)を大きく上回ったという。
ケネディ家は一枚岩ではない。親族のケリー・ケネディ氏らは9日の声明で無所属での出馬に関し「国にとって危険だ」と断じた。バイデン氏から票を奪い、共和党による政権奪還を許すと懸念している。
日経記事 2023.10.10より引用