サリバン氏は対ロ軍事支援は「北朝鮮に良い結果をもたらさない」と話した=AP
【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日の記者会見で、北朝鮮がロシアへの軍事支援に踏み切れば「代償を払うことになる」と警告した。
米欧などによる経済制裁に伴いロシアが自国で弾薬などを賄うのが難しくなっているとの認識を示し「調達先を探している」と述べた。
米政府は近く北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシアを訪れ、プーチン大統領と会談すると分析する。米紙ニューヨーク・タイムズは極東ウラジオストクで両首脳が会う計画があると伝えた。兵器の取引を協議する可能性がある。
サリバン氏は「北朝鮮の支援を得ようとロシアが熱心に取り組んでいる理由は(米国などの対ロシア制裁で)同国の防衛産業基盤を圧迫し続けているためだ」と話した。
現時点で「北朝鮮がロシアに大量の軍需品や他の軍事能力を積極的に供給しているとは確認していないが、この先どうなるかは予測できない」と語った。
米政府はプーチン氏と金正恩氏が軍事協力を拡大する書簡を交換したとの情報を入手したと8月30日に明らかにした。北朝鮮が弾薬や軍需品の原材料などを供与するおそれがあるとみる。
ロシアは侵攻の長期化に加え、米欧などに科された制裁で武器生産に必要な部品や原材料を賄えず、軍事物資が足りなくなっている。米国によると、これまでもイランから攻撃型無人機、北朝鮮から歩兵用ロケットとミサイルを調達した。
日経記事 2023.09.06より引用