ロシアのプーチン大統領は20日の安全保障会議で、ウクライナを巡るトランプ次期米大統領との協議に前向きな姿勢を示した
=ロイター
ロシアのプーチン大統領は20日、ウクライナを巡るトランプ次期米大統領との協議について「対話にオープンだ」と述べた。
トランプ氏の同日の大統領就任を祝福し、対話に前向きな姿勢を示した。ウクライナのゼレンスキー大統領も祝意を表したうえでロシアとの停戦に期待をみせた。
プーチン氏は同日開いた安全保障会議の場で述べた。ロシア大統領府によると、トランプ氏がロシアとの直接的な接触を復活させたいとの姿勢を評価し「次期大統領への就任を祝福する」と述べた。
トランプ氏とのウクライナを巡る対話に前向きな姿勢を示し「危機の根本原因を取り除くことが重要だ」と述べた。対立が深まっている米国との関係改善につなげる狙いとみられる。
ロシアは2022年2月、ウクライナ東部の親ロシア派組織の支援などを名目に「特別軍事作戦」を開始。プーチン氏はウクライナ侵略を続ける自国の正当性を主張する一方、米国はロシアに制裁を課すなどし、両国の関係は冷え切ったままだ。
トランプ氏はプーチン氏と近く電話で協議するとみられている。マイク・ウォルツ次期米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、トランプ氏が数日あるいは数週間内にもプーチン氏と電話協議するとの見通しを示していた。
トランプ氏は7日の記者会見で、ロシアによるウクライナ侵略について「(大統領就任から)6カ月で、できればそれよりずっと前に終わらせたい」と言及した。
プーチン氏はこれまで、ウクライナとの停戦の条件としてウクライナ東・南部4州からのウクライナ軍の撤退が必要との考えを示したほか、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟放棄を求めている。ロシア軍の制圧地からの撤退を求めるウクライナとの溝は深い。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ロシアとの停戦に期待感を示した。「ウクライナはアメリカと共に本当の平和を達成する準備ができている。この機会を逃してはいけない」とX(旧ツイッター)に投稿した。
「きょうは変化の日であり、多くの課題を解決する希望の日でもある」とトランプ氏の大統領就任に祝意を述べた。そのうえで「トランプ大統領の成功を祈っている」とし、トランプ氏が膠着状態にある戦況の打開に動くとの期待をにじませた。
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