スペイン副首相から欧州委員会の重要ポストである競争政策担当の上級副委員長へと、華麗な転身を遂げる。
長年気候変動問題に取り組み、優れた交渉力で知られる。畑違いの競争政策でも同様の手腕を発揮できるか懸念する声もある。
フォンデアライエン欧州委員長が9月17日に、リベラ氏を含めた欧州委員候補の顔ぶれを発表した。正式決定には立法機関の欧州議会の承認が必要だ。
リベラ氏の人事はフランスやドイツの内政が混乱する中、スペインの影響力が増してきた証しでもある。
リベラ氏を重用してきたサンチェス首相はスペインの首脳としては珍しい国際派で、EUでも一定の存在感を持つ。
サンチェス氏の右腕として、炭鉱閉鎖や脱原発の決定など重要案件を矢継ぎ早にこなしてきた。
エネルギー価格が高騰した2022年には、EU内でスペインとポルトガルだけが発電用の天然ガス価格に上限を設けられる例外措置を勝ち取った。
料理が得意で、キッチンでは1980年代のロック音楽をかけながら作業するという。
散歩が好きで「(散策する場所が)田舎ならなおさらいい」というが、しばらくはブリュッセルで多忙な日々が続きそうだ。(パリ=北松円香)
日経記事2024.10.06より引用