EF24-105mmF4L
上・中・下の3枚の写真はまったく同じ構図の写真だが、オリジナルは上の写真、真ん中と下の写真は加工を加えてある。結論から先に言うと、カメラで下のような写真を撮ることは不可能である。加工しない限り下のような写真は撮れない。これは「腕」の問題ではなく、カメラの構造的な問題である。カメラはその構造上において、人間の肉眼よりもダイナミックレンジが狭い。だが中間の写真は加工しなくても撮れる。この場合、加工を要するのは私の腕が未熟だからだからであるが、しかし時代はデジタルになり楽になった。そりゃ厳密には加工しない写真を印刷したほうが画質は優れている。それはある。だがそんなものはごくごく僅かな差に過ぎない。プロの写真家でもない限り、そこまで徹底して画質にこだわる人は少ない。多くの人は多かれ少なかれ加工する。極端な話を言えば、レンズにフィルターをかけたりするのも、加工といえなくもない。暗室でコントラストを強く焼いたり、青を強くかけて焼いたりするのも、立派な加工である。銀塩カメラでは、写真を加工する場合、以上のように暗室に篭って現像液と印画紙と格闘して、長い時間をかけた末に完成する。これは手間と暇と、そして何よりも金がかかる。しかし前述したように時代はデジタルになって飛躍的に楽になった。今や暗室に篭る必要は全くない。写真加工ツールやPHOTOSHOPなどのソフトが今や暗室に置き換わっているのだ。しかも、かつての「フィルム」は、いまや汎用性の高いデータファイルになっているワケで、印刷するにせよ、加工するにせよ、ブログに載せるのせよ、とても作業が楽になった。そして加工を何日にかけて編集してもよい。これが銀塩だとそうはいかない。現像液を一度用意してしまうと、その日のうちに加工の全工程を終了させなければなるまい。現像液をそのままにして2~3日も放っておくわけにはいかないからだ。さらにブログに乗せようと思ったら、写真をスキャナーにかける必要もあり、イロイロな点で面倒だ。今や、撮影技術はそこまで必需の時代ではなくなった。とにかく写真をバラまくように撮り、加工して印刷をすれば、印刷コストは極限的に抑えられる。写真という趣味で、これまでもっともお金がかかっていたのは「フィルム」と「印画紙」であった。それがデジタルの時代になって、そのくびきから解き放たれたのは大きいのである。
さて、私の写真技術の未熟さに対する言い訳はこれくらいにしておいて、3枚の写真の解説に入る。これまで「加工」というと、上の写真を真ん中の写真に加工する、というのが一般的であり、そして殆どであった。カメラの写真というのは、ある光の状態の下では、肉眼と違った画像が映し出される。この上と真ん中の写真においてもそうである。肉眼では、下の写真のように、空も雲も建物も山も同じように明るく見える。しかしカメラではそうはならない。これは前述したように、カメラという機械は人間よりもダイナミックレンジが狭いからである。ダイナミックレンジとは何か?それは、簡単にいってしえば明暗を識別する幅でである。機械の方がダイナミックレンジが狭いなんて・・・そんなバカな、と思われる人もいるだろう。たとえば聴覚においては、人間よりも機械のほうが検出力が高い。人間に聞こえない音も、機械であれば検出する。視覚の世界では可視光という言葉がある。これは人間に「見える」範囲の光ということで、紫外線や赤外線などの光は、人間には見えない。しかしサーモグラフィーなどのように、機械は可視光以外の光を検出するのに長けている。カメラも本来は光の検出能力は人間より優れている。カメラの写真は人間の見えない紫外線や赤外線を微量だが拾う。そういう意味で機械のほうが「明暗を識別する幅がせまい」というのはおかしい、といういわれるのも分かる。しかし、事実カメラのダイナミックレンジは狭いのである。それはどういうことか?
カメラで撮った写真は「瞬間」を記録したものであり、時間的に言うと1/200秒程度の光である。時間の概念はない。その時、その瞬間の画像である。今我々が肉眼で見ている風景は、「その時、その瞬間」ではない。時間は絶えず流れている。おそらく、肉眼であっても、「その瞬間」を抽出して画像にプリントできたとするならば、その画像はおそらく写真機と同じか、それ以下のダイナミックレンジに違いない。というのは、人間の場合は時間とともに映像を脳が絶えず修正・更新しているからである(または目の瞳孔)。
だが、瞬間しか撮れないカメラは、瞬間しか撮れないという構造上の理由によって、ダイナミックレンジが狭くなる。つまり、暗い場所に焦点を合わせれば、あかるい場所は白くとび、一方、明るいほうに焦点を合わせると、暗い場所は黒くつぶれる。今回の写真のケースは、真ん中の写真の場合、明るい「雲」に光の焦点を合わせて撮影した感じの画になっている。空は青く写り、山の雪をかぶっていない箇所はやや暗く写り、暗い教会の建物は黒くつぶれている。しかし、これは肉眼とは見え方が異なるが、演出としては面白い画像である。十字架と屋根のシルエットが映えるという効果が得られるからだ。つまりダイナミックレンジが狭いからといって、使えないカメラではないのである。こういう使い方によっては特殊な効果が入るというメリットもあるのだ。
さて、下の写真である。これが肉眼で見るのと最も近い画像である。今回、この下の写真をUPしたかったのである。実はこの写真はある加工ソフトを使ってできたものである。それは「photomatix pro3.0」というソフトで、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像の加工にとても優れたソフトなのだ。HDR画像への加工は、フォトショップでもできることにはできるが、ここまで優れた処理はできない。フォトショップは、加工における汎用性はきわめて高いけれども、HDR加工には「特化」はしていない。しかしphotomatixというソフトはHDRだけに特化した加工ソフトであるので、出来栄えもすばらしいのだ。
実は下の写真は、photomatixで加工した後に、フォトショップでもチョットいじくってあるのだが、今日はこのphotomatixの優秀性を宣伝するためには書き込みました。値段は価格ドットコムで1万5千と、少々割高ではあるが、かなり病みつきになりそうなソフトである。HDR画像にハマってしまいそうである。
上・中・下の3枚の写真はまったく同じ構図の写真だが、オリジナルは上の写真、真ん中と下の写真は加工を加えてある。結論から先に言うと、カメラで下のような写真を撮ることは不可能である。加工しない限り下のような写真は撮れない。これは「腕」の問題ではなく、カメラの構造的な問題である。カメラはその構造上において、人間の肉眼よりもダイナミックレンジが狭い。だが中間の写真は加工しなくても撮れる。この場合、加工を要するのは私の腕が未熟だからだからであるが、しかし時代はデジタルになり楽になった。そりゃ厳密には加工しない写真を印刷したほうが画質は優れている。それはある。だがそんなものはごくごく僅かな差に過ぎない。プロの写真家でもない限り、そこまで徹底して画質にこだわる人は少ない。多くの人は多かれ少なかれ加工する。極端な話を言えば、レンズにフィルターをかけたりするのも、加工といえなくもない。暗室でコントラストを強く焼いたり、青を強くかけて焼いたりするのも、立派な加工である。銀塩カメラでは、写真を加工する場合、以上のように暗室に篭って現像液と印画紙と格闘して、長い時間をかけた末に完成する。これは手間と暇と、そして何よりも金がかかる。しかし前述したように時代はデジタルになって飛躍的に楽になった。今や暗室に篭る必要は全くない。写真加工ツールやPHOTOSHOPなどのソフトが今や暗室に置き換わっているのだ。しかも、かつての「フィルム」は、いまや汎用性の高いデータファイルになっているワケで、印刷するにせよ、加工するにせよ、ブログに載せるのせよ、とても作業が楽になった。そして加工を何日にかけて編集してもよい。これが銀塩だとそうはいかない。現像液を一度用意してしまうと、その日のうちに加工の全工程を終了させなければなるまい。現像液をそのままにして2~3日も放っておくわけにはいかないからだ。さらにブログに乗せようと思ったら、写真をスキャナーにかける必要もあり、イロイロな点で面倒だ。今や、撮影技術はそこまで必需の時代ではなくなった。とにかく写真をバラまくように撮り、加工して印刷をすれば、印刷コストは極限的に抑えられる。写真という趣味で、これまでもっともお金がかかっていたのは「フィルム」と「印画紙」であった。それがデジタルの時代になって、そのくびきから解き放たれたのは大きいのである。
さて、私の写真技術の未熟さに対する言い訳はこれくらいにしておいて、3枚の写真の解説に入る。これまで「加工」というと、上の写真を真ん中の写真に加工する、というのが一般的であり、そして殆どであった。カメラの写真というのは、ある光の状態の下では、肉眼と違った画像が映し出される。この上と真ん中の写真においてもそうである。肉眼では、下の写真のように、空も雲も建物も山も同じように明るく見える。しかしカメラではそうはならない。これは前述したように、カメラという機械は人間よりもダイナミックレンジが狭いからである。ダイナミックレンジとは何か?それは、簡単にいってしえば明暗を識別する幅でである。機械の方がダイナミックレンジが狭いなんて・・・そんなバカな、と思われる人もいるだろう。たとえば聴覚においては、人間よりも機械のほうが検出力が高い。人間に聞こえない音も、機械であれば検出する。視覚の世界では可視光という言葉がある。これは人間に「見える」範囲の光ということで、紫外線や赤外線などの光は、人間には見えない。しかしサーモグラフィーなどのように、機械は可視光以外の光を検出するのに長けている。カメラも本来は光の検出能力は人間より優れている。カメラの写真は人間の見えない紫外線や赤外線を微量だが拾う。そういう意味で機械のほうが「明暗を識別する幅がせまい」というのはおかしい、といういわれるのも分かる。しかし、事実カメラのダイナミックレンジは狭いのである。それはどういうことか?
カメラで撮った写真は「瞬間」を記録したものであり、時間的に言うと1/200秒程度の光である。時間の概念はない。その時、その瞬間の画像である。今我々が肉眼で見ている風景は、「その時、その瞬間」ではない。時間は絶えず流れている。おそらく、肉眼であっても、「その瞬間」を抽出して画像にプリントできたとするならば、その画像はおそらく写真機と同じか、それ以下のダイナミックレンジに違いない。というのは、人間の場合は時間とともに映像を脳が絶えず修正・更新しているからである(または目の瞳孔)。
だが、瞬間しか撮れないカメラは、瞬間しか撮れないという構造上の理由によって、ダイナミックレンジが狭くなる。つまり、暗い場所に焦点を合わせれば、あかるい場所は白くとび、一方、明るいほうに焦点を合わせると、暗い場所は黒くつぶれる。今回の写真のケースは、真ん中の写真の場合、明るい「雲」に光の焦点を合わせて撮影した感じの画になっている。空は青く写り、山の雪をかぶっていない箇所はやや暗く写り、暗い教会の建物は黒くつぶれている。しかし、これは肉眼とは見え方が異なるが、演出としては面白い画像である。十字架と屋根のシルエットが映えるという効果が得られるからだ。つまりダイナミックレンジが狭いからといって、使えないカメラではないのである。こういう使い方によっては特殊な効果が入るというメリットもあるのだ。
さて、下の写真である。これが肉眼で見るのと最も近い画像である。今回、この下の写真をUPしたかったのである。実はこの写真はある加工ソフトを使ってできたものである。それは「photomatix pro3.0」というソフトで、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像の加工にとても優れたソフトなのだ。HDR画像への加工は、フォトショップでもできることにはできるが、ここまで優れた処理はできない。フォトショップは、加工における汎用性はきわめて高いけれども、HDR加工には「特化」はしていない。しかしphotomatixというソフトはHDRだけに特化した加工ソフトであるので、出来栄えもすばらしいのだ。
実は下の写真は、photomatixで加工した後に、フォトショップでもチョットいじくってあるのだが、今日はこのphotomatixの優秀性を宣伝するためには書き込みました。値段は価格ドットコムで1万5千と、少々割高ではあるが、かなり病みつきになりそうなソフトである。HDR画像にハマってしまいそうである。