氷河が削った谷のラウターブルンネン。切り立った渓谷に囲まれている。ここに海水が流れ込めば「フィヨルド」となる。フィヨルドは氷河期に氷河によって削られた深い谷が、温暖化にともなって海面の上昇により形成された。いわば溺れ谷だ。日本の三陸海岸はリアス海岸と呼ばれるが、これはフィヨルドではなく単なる溺れ谷である。河川によって浸食した谷が海面上昇をうけて溺れ形成されたものだ。メカニズムはラウターブルンネンもフィリヨルドもリアス式海岸もさほどかわらない。
一方シルトホルンに代表される「ホルン」だが、これはカールが3つ以上形成されると出来るものだ。カールとは日本の千畳敷カールに代表されるように、氷河がけずった丸い窪みである。鍋の底のような形状をしている。ある山に複数のカールができると、取り残された山は尖ってくるのだ。
ラウターブルンネンにある滝。あまりにも高いために水が霧状になって広範囲に降り注ぐ。