かつてバリスカン造山運動というものがあった。かつてといってもそれは今から3億年ほど前の石炭紀あたりの話。北のローラシア大陸(ユーラシア+北アメリカ)と南のゴンドワナ大陸(南アメリカ+アフリカ+インド+南極+オーストラリアなど)が衝突したとき引き起こされた。
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そうして出来たのが超大陸パンゲアである。さて、ローラシアとゴンドワナの衝突部分をみてみよう。
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現在の地形とはまるで異なるが、アフリカと北アメリカの東海岸そして西ヨーロッパからスカンジナビア半島が衝突して山脈を作った。これがだいたい石炭紀またはそれ以前に起こったという。現在でもこの造山帯あたりには山脈が連なっている。
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その後超大陸は分裂した。かつてのゴンドワナ大陸は南アメリカ・アフリカ・南極・インド・オーストラリアに分かれ、インドはユーラシア大陸に衝突、アフリカはヨーロッパに衝突、アラビア半島もユーラシア大陸に衝突した。これが大体中生代から新生代の間(いわゆる恐竜時代)に起こったとされる。
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衝突によってピンク色の線上には様々な山脈が形成される。
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アルプス造山運動によってアフリカのプレートはヨーロッパのプレートに乗りあげる形になった。山脈を形成し浸食と風化の結果現在の地形に至る。
以上のことからわかるように、スイスは2度の造山運動を経ていることがわかる。(バリスカン造山運動とアルプス造山運動)
とはいえ上の図のABCDの過程を見ればわかるように、プレート衝突によるプレートの付加体もあれば、海底の堆積岩もあるし、火山活動による岩石も含まれる。これらすべてを含んだ混合物が露頭したものが現在の我々の目に入る景色となっている。
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こちらはBIRGからSCHILTHORNの間を通るロープーウェイからの景色。大きな褶曲を見ることができる。石灰質の山である。
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こちらはフィルストから撮影した結晶片岩。埼玉の長瀞のように強い圧力による変成作用をうけて再結晶化したもので特徴は薄い層をなしている。薄くはがれやすいために屋根材としても使われている。
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同じ場所からの写真。
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水晶室の鉱物に白雲母などの結晶もみられる。
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埼玉の長瀞も中央構造線という強い圧力により変成作用をうけた地域でありメカニズムとしては似ている。