好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

SF・アクション・ラノベの源流。

2013-01-14 | 物語全般
『虎よ、虎よ!』(byアルフレッド・ベスター)、読了。

恥ずかしながら初読である。

昔から、タイトルだけは何度も見かけていた。

その1。『GS美神』での能力者・タイガー。
その2。小説での文字の大きさやレイアウトを変える手法の元祖。
その3。『紫色のクオリア』での組織名・ジョウント。

後の他作品で使われているモチーフはまだまだ多い。
例えば、「感情が高ぶると体に紋様が浮かび上がる」とか。
奥歯を噛んで加速装置!も、実はこの『虎』が発端だったりするわけで。

あらすじについては、例によってAAストーリーが分かりやすい。 
虎よ!虎よ!

暴れるしか能の無かった主人公・ガリー・フォイルが、
復讐心に基づいて大きく強く成長していく、暗くも熱い冒険譚。

なお、この作品が書かれたのは1956年。
もう50年以上も昔だが、古さはほとんど感じない。
テレポーテーションやテレパシーが日常的な能力として使われている社会、
という事から、結果として元々の文明が崩壊し、表面上はむしろ退化しているためだ。
まあそれでも、主人公がサーカスの団長になってたりするのは
時代のせいかもしれない。

紙面で文字遊びが出てくるのは終盤になってから。
ガリーの前に幾度も現れる謎の人物の正体と共に
畳みかけられる迫力は、小説の限界に挑んだ結果だ。
同じ作者の『分解された男』もいずれ読んでみたいと覚書。

それでは。また次回。

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