「アベンジャーズ」までの道のり、第2回は
「マイティ・ソー」とその周辺についてです。
ソー=Thor=北欧神話の雷神・トールのことで、
怪力自慢の戦の神として人気のあった神であり
雷を象徴しているハンマー・ミョルニュルを手に巨人族と戦う
英雄神でもありました。
始めは主神・オーディンと同格の神として信仰されていたようですが
年月が過ぎるうちにオーディンの息子としての位置に落ち着いた、という
信仰の経緯があるようです。
北欧のキリスト教化後も、「神話」として親しまれ
ワーグナー「ニーベルングの指環」や多くのファンタジーの下敷きとなり
ここ日本においても「銀河英雄伝説」の固有名詞であったり
多くのRPGのキャラや設定などでも親しまれているのが
北欧神話であったりもいたします。
(学校の図書室なんかで中学時代に手に取った人も多いのでは?)
さて、そんなトール=ソー。
「なんで神様なのにスーパーヒーローなの?」と
思う人もいるかと思います。
これはやはりアメリカがキリスト教国なのが原因でして
非キリスト教の「神」は「強力な超人」くらいの扱いとなります。
(主神クラスはそれ以上に強力な存在扱いになるわけですが)
マーベルユニバースにおいては、ソーのほかにも
ギリシャ神話のヘラクレス=ハーキュリーズがスーパーヒーローとして
活躍していたりします。
さて、そんなソーがコミック界に降臨したのは62年のこと。
オーディンと大地の女神の間に生まれた神であり
戦士としての強大な力を持ち、その分傲慢な性格を持っていました。
自分の跡継ぎとしてこれはいかんのではないか、と考えたオーディンは
この不肖の息子に「謙譲の心」を学ばせるために
足の不自由な人間であるドナルド・ブレイクとして転生させたのです。
前世の記憶を失いながらも、なぜか北欧神話に惹かれるブレイク。
医師となり、休暇旅行でスカンジナビアに出かけていたときに
土星人の襲撃に巻き込まれ、洞窟に閉じ込められます。
そこで落ちていた棒を使って脱出しようとしますが
非力な人間の姿ではどうすることもできず、棒を投げつけると
棒は魔法のハンマー・ムジョルニアへと姿を変え、
それを手にした瞬間、ブレイクはソーとしての記憶と肉体を取り戻します。
棒を杖に変え、アメリカに戻ったブレイクは、医師として働きながら
ソーに変身してのヒーロー活動を行うようになります。
ソー復活を知った弟神である宿敵・ロキは様々な手を使ってソーを亡き者にしようとし
怒りの暴走超人・ハルクを操ってソーにぶつけようとします。
この事件をきっかけにソーはアイアンマン、アントマンたちと協力、
ヒーローチーム・アベンジャーズの結成へと繋がっていくのです。
と、原作においてのソーはある種ウルトラマン的な「変身ヒーロー」であり
強い力と高潔な魂を持つ者にはムジョルニアを手にすることができ、
ムジョルニアを手にした者にはソーの力が与えられるため、
ソーの代替わりや異星人の戦士にソーの力を与えられることもあり
そのたびに新しいハンマーを作って与え、ウルトラ兄弟的なソー兄弟が
誕生することになったりもしていたわけですがw
その一方でこの世界のアスガルド(北欧神話の神々の世界)は
実は一度「神々の黄昏」で滅びた後再構築された世界だったことが
明らかになったりといった展開もあったりと、
長い歴史の中で「神話の世界」が舞台になっていることを
最大限に活かした展開が行われた作品でもあったわけです。
怪力、飛行能力、雷撃とマーベル版「スーパーマン」的な立ち位置の
そんなソーであったわけですが、映像化に関しては
企画は上がるもののなかなか実現しない、そんなキャラでもありました。
そんなソーの映画化が正式に決定したのは2006年頃の話であり
「アイアンマン」から始まるアベンジャーズ・プロジェクトの1作として
制作が進んでおりました。
正式決定前からの変遷を見ていくだけでも
サム・ライミ、デヴィッド・S・ゴイヤー、マシュー・ヴォーンと
監督の人選が移り変わっていく中、この作品の監督の座を射止めたのは
俳優としても知られるケネス・ブラナーでした。
「シェイクスピア俳優がアメコミ映画監督・・・?」と
発表時には若干心配になりましたが、
オーディン役のアンソニー・ホプキンスとともに
結果的にこの映画に重厚な神話感を与える人選となったと思います。
主演はTVドラマ出身のクリス・ヘムズワース。
原作のドナルド・ブレイク設定をなくし、神としての力のみを奪って
地上へと落とされた神、という設定となっており
人間であるジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)との
コミュニケーションから「英雄であること」を学ぶ、という
物語として描かれております。
「アベンジャーズ」にもロキが大きく関わっており、
ホークアイも(クレジットはありませんが)「ソー」に登場しているということから
「アベンジャーズ」前に1本見ておくならこの作品、という声も多い今作。
日本でのキャラクターとしての知名度の低さもあるので
(ゲームにプレイヤーキャラとして参戦したのもつい最近ですしね・・・)
映画と合わせて邦訳本「ソー:マイティ・アベンジャー」(映画版合わせの作品)か
「マイティ・ソー:アスガルドの伝説」(こちらは原作版設定を知るのに)を
見ておくのもいいかもしれませんね。
「マイティ・ソー」とその周辺についてです。
ソー=Thor=北欧神話の雷神・トールのことで、
怪力自慢の戦の神として人気のあった神であり
雷を象徴しているハンマー・ミョルニュルを手に巨人族と戦う
英雄神でもありました。
始めは主神・オーディンと同格の神として信仰されていたようですが
年月が過ぎるうちにオーディンの息子としての位置に落ち着いた、という
信仰の経緯があるようです。
北欧のキリスト教化後も、「神話」として親しまれ
ワーグナー「ニーベルングの指環」や多くのファンタジーの下敷きとなり
ここ日本においても「銀河英雄伝説」の固有名詞であったり
多くのRPGのキャラや設定などでも親しまれているのが
北欧神話であったりもいたします。
(学校の図書室なんかで中学時代に手に取った人も多いのでは?)
さて、そんなトール=ソー。
「なんで神様なのにスーパーヒーローなの?」と
思う人もいるかと思います。
これはやはりアメリカがキリスト教国なのが原因でして
非キリスト教の「神」は「強力な超人」くらいの扱いとなります。
(主神クラスはそれ以上に強力な存在扱いになるわけですが)
マーベルユニバースにおいては、ソーのほかにも
ギリシャ神話のヘラクレス=ハーキュリーズがスーパーヒーローとして
活躍していたりします。
さて、そんなソーがコミック界に降臨したのは62年のこと。
オーディンと大地の女神の間に生まれた神であり
戦士としての強大な力を持ち、その分傲慢な性格を持っていました。
自分の跡継ぎとしてこれはいかんのではないか、と考えたオーディンは
この不肖の息子に「謙譲の心」を学ばせるために
足の不自由な人間であるドナルド・ブレイクとして転生させたのです。
前世の記憶を失いながらも、なぜか北欧神話に惹かれるブレイク。
医師となり、休暇旅行でスカンジナビアに出かけていたときに
土星人の襲撃に巻き込まれ、洞窟に閉じ込められます。
そこで落ちていた棒を使って脱出しようとしますが
非力な人間の姿ではどうすることもできず、棒を投げつけると
棒は魔法のハンマー・ムジョルニアへと姿を変え、
それを手にした瞬間、ブレイクはソーとしての記憶と肉体を取り戻します。
棒を杖に変え、アメリカに戻ったブレイクは、医師として働きながら
ソーに変身してのヒーロー活動を行うようになります。
ソー復活を知った弟神である宿敵・ロキは様々な手を使ってソーを亡き者にしようとし
怒りの暴走超人・ハルクを操ってソーにぶつけようとします。
この事件をきっかけにソーはアイアンマン、アントマンたちと協力、
ヒーローチーム・アベンジャーズの結成へと繋がっていくのです。
と、原作においてのソーはある種ウルトラマン的な「変身ヒーロー」であり
強い力と高潔な魂を持つ者にはムジョルニアを手にすることができ、
ムジョルニアを手にした者にはソーの力が与えられるため、
ソーの代替わりや異星人の戦士にソーの力を与えられることもあり
そのたびに新しいハンマーを作って与え、ウルトラ兄弟的なソー兄弟が
誕生することになったりもしていたわけですがw
その一方でこの世界のアスガルド(北欧神話の神々の世界)は
実は一度「神々の黄昏」で滅びた後再構築された世界だったことが
明らかになったりといった展開もあったりと、
長い歴史の中で「神話の世界」が舞台になっていることを
最大限に活かした展開が行われた作品でもあったわけです。
怪力、飛行能力、雷撃とマーベル版「スーパーマン」的な立ち位置の
そんなソーであったわけですが、映像化に関しては
企画は上がるもののなかなか実現しない、そんなキャラでもありました。
そんなソーの映画化が正式に決定したのは2006年頃の話であり
「アイアンマン」から始まるアベンジャーズ・プロジェクトの1作として
制作が進んでおりました。
正式決定前からの変遷を見ていくだけでも
サム・ライミ、デヴィッド・S・ゴイヤー、マシュー・ヴォーンと
監督の人選が移り変わっていく中、この作品の監督の座を射止めたのは
俳優としても知られるケネス・ブラナーでした。
「シェイクスピア俳優がアメコミ映画監督・・・?」と
発表時には若干心配になりましたが、
オーディン役のアンソニー・ホプキンスとともに
結果的にこの映画に重厚な神話感を与える人選となったと思います。
主演はTVドラマ出身のクリス・ヘムズワース。
原作のドナルド・ブレイク設定をなくし、神としての力のみを奪って
地上へと落とされた神、という設定となっており
人間であるジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)との
コミュニケーションから「英雄であること」を学ぶ、という
物語として描かれております。
「アベンジャーズ」にもロキが大きく関わっており、
ホークアイも(クレジットはありませんが)「ソー」に登場しているということから
「アベンジャーズ」前に1本見ておくならこの作品、という声も多い今作。
日本でのキャラクターとしての知名度の低さもあるので
(ゲームにプレイヤーキャラとして参戦したのもつい最近ですしね・・・)
映画と合わせて邦訳本「ソー:マイティ・アベンジャー」(映画版合わせの作品)か
「マイティ・ソー:アスガルドの伝説」(こちらは原作版設定を知るのに)を
見ておくのもいいかもしれませんね。