92年。
これまでの功績により、X-MENの存在はすっかり世間に認められ、
大統領とのホットラインも開設されていた。
称賛されるヒーローとして活躍する彼らに、大統領から
宇宙で異常を起こしたスペースシャトルの乗員救出が依頼される。
救助任務を行う彼らを襲う、太陽フレアに似た謎のエネルギー体。
それは脱出が遅れたジーン・グレイの体内に吸収された・・・。
以前書いたように、X-MENシリーズ最終作であり、
「ダーク・フェニックス・サーガ」2度目の映画化である今回。
前の映画化である「ファイナルディシジョン」もトリロジー最終作であったので
締めくくりに選ぶのにふさわしいスケール感の原作エピソードであることから
このストーリーが選ばれたのかな・・・とは思いますが
原作前半に登場していたヘルファイアークラブは
「ファースト・ジェネレーション」で登場・壊滅していたわけで、
『ジーンがフェニックスになり、暴走する』という大枠だけを活かしつつ
大人になったメンバーたちの関係性を中心に描く、という形となりました。
「ファースト・ジェネレーション」からの4人・・・
チャールズ、レイブン、ハンクにエリック。
『大人になった』彼らが抱えるもの、変わってしまったもの。
成長したX-MENたちである
スコット、ジーン、オロロ、カート、ピエトロ。
ジーンが抱えていたもの、それを支えようとするスコット。
サンダーバードのようなXジェットの出撃シークエンスや、
「え、そういう武装としての使い方するの!?」という展開に
今回はかなり控えめにされたピエトロの超高速戦闘、
今回は大活躍のカートのテレポート能力といったアクション面での見せ場もありますが
これで最終作・・・と言われると若干食い足りないなぁ、というか
色々問題は多いようだけど、シリーズ締めくくりの最終作としては
これまで手掛けたブライアン・シンガーに撮ってほしかった気持ちもあるし
やはりX-MENなのにウルヴァリンがいないのは、寂しい。
素直な感想としては、どうしてもそういう部分は出てきますし
それを気にしないほど夢中にはさせてくれなかったのは少し寂しいかも、と。
「ファイナルディシジョン」の時代からアメコミ映画の平均点が大きく上がってしまい、
快作「シャザム」に横綱相撲の貫禄があった「エンドゲーム」の後、
そして次には「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が控えている今、というタイミングで
「X-MEN」というアメコミ映画の時代を「始めた」作品の締めくくりが
正直食い足りなく感じてしまう内容だったのは、どうしても残念に思えて。
「アポカリプス」もだけど、もっとハイカロリーな作品になってほしかったなぁ。