スパイダーマンにMCU離脱の可能性か ─ ディズニー/マーベルとソニーが資本関係めぐる対立
【続報】『スパイダーマン』マーベルとソニーの対立報道は「誤解」 ─ ソニー側が声明発表、ケヴィン・ファイギのプロデューサー離脱のみ認める
本日の午前中はこのニュースで持ち切りでございました。
ディズニーとソニーが利益配分やケビン・ファイギの処遇を巡り
今後のスパイダーマン映画に関する交渉が難航中、というニュース。
現状では高い確率でスパイダーマンのMCU離脱が起こってしまう、と報じられています。
エンドゲーム、ファーフロムホームはあらかたの方が見てしまっていると思うので
今更ネタバレに配慮しない内容となりますので、ネタバレが嫌な方はここまでで。
MCUにおけるスパイダーマンの現状は、「トニー・スタークが認めた後継者」であり
主にニューヨークという町を守るヒーローであるわけですが、
実は他のヒーローとの接点というのは、現状あまり描かれておりません。
「シビルウォー」「インフィニティウォー」「エンドゲーム」で
他のヒーローとの共闘は行っているわけですが、
ピーター・パーカーの物語に絡んでくるキャラクターは
あくまでトニーとその部下であるハッピーだけ、という状況です。
「アイアンマンとキャプテンアメリカがいない」フェイズ4。
それはつまり、MCUユニバースの「軸」が存在しないフェイズ、ということになります。
二本の柱、そしてこれまでの全作を貫いてきたインフィニティストーンとサノスという軸、
フェイズ3エピローグとして、それらを失った世界への突入が描かれたのが
「ファーフロムホーム」だったわけです。
そしてその最後で描かれたのが、
「スパイダーマンはピーター・パーカーであり、殺人者だ」という悪意に満ちた偽りの拡散。
全世界から犯罪者としてピーターは追われることになってしまうのか、というラストでございました。
さて、この状況でスパイダーマンがMCUから離れると仮定しましょう。
原作の展開から予想できるのは、「正体明かしをなかったことにする代償としての世界改変」。
これは原作において正体を自分で公表した結果、メイおばさんが襲われてしまい
それをすべてなかったことにするために悪魔と取引をして歴史を改変してもらった、という
展開があったことに由来しています(邦訳「ワン・モア・デイ」を参照)。
・・・しかしこれは原作のほうでさんざん叩かれた展開であるとともに、
ピーターが契約した相手、魔王メフィストはおそらく「ゴーストライダー」の権利とともに
今はMCU側に権利が行っているんじゃなかろうか、と。
似た展開をやるとしても、おそらくもっと別の方法をとるしかないのでは。
そしてMCUとの接点が無くなったとしても、
ピーターとの接点があるMCUキャラはトニーの死後はハッピーと、
あとはせいぜいフューリーに化けていたタロスだけ、という状況であり
実はそこまでスパイダーマン単独のストーリーにも、MCU全体にも
それほどの影響は与えないということに気が付きます。
これはピーター/スパイダーマンがあくまで普通の高校生/「あなたの親愛なる友人」であり
世界のヒーローたちの中心となる存在になるにはまだ幼すぎる、ということで
あくまで「トニー・スタークが見出した秘蔵っ子」「巻き込まれた結果宇宙規模の戦いに参戦」
レベルのかかわり方しか世界全体に対してはしてこなかった故であり
MCU側はティーンヒーローが欲しければ原作にいくらでも候補がおり
(ティーン/女性/マイノリティのMs.マーベルあたりがその筆頭となるでしょう。)
スパイダーマン側はトニーがいない今となってはそこまでの難点はない、
それこそ今まで出していなかったオズコープやデイリービューグルなどを出すことで
ピーターの世界の背景をどんどん強めていったり、
ヴェノムやモービウスたちとのクロスオーバーで広げていく展開もできるでしょう。
・・・さらにはスパイダーバース展開だってやっていいわけで。
問題はディズニー&マーベルとソニーに対するイメージの低下と
スパイダーマンの人気が突出しているここ日本での興行面の影響でしょうけど
個人的にはX-MENとファンタスティックフォー、ついでにデッドプールまでがMCU入りする今、
スパイダーマンがMCUから離れてもどっちにしろ見に行くのは変わらないしね、って心境です。
まぁ、何事も問題なく丸く収まってくれるのが一番いい結果なんですけど。