長崎県美術館で開催中の「
古代ギリシャ ‐時空を超えた旅‐」を見てまいりました。
東京で大人気となり、長崎・神戸と巡回するこの展覧会は
氷河期が終わってギリシャがいまの姿になり、人々がこの地に定住を始めた紀元前7000年から
ローマ帝国の一部となり、キリスト教国教化で他の宗教が禁じられる紀元350年代までの
この地中海の楽園で暮らした人々の歴史の遺物が集められ、その歴史を辿る内容となっています。
土偶にも似た胸と尻を強調した女性像が作られたエーゲ文明。
迷宮とミノタウロスの伝説で知られたミノス王の時代、クレタ文明。
戦士たちの時代、ミュケナイ文明。
都市国家の萌芽、アルカイック文化と等身大大理石像の誕生。
アテネを中心とした二度のペルシアとの戦争(「300」ですね)を経た黄金期に
神に捧げる名誉の競技会、古代オリンピックの時代。
征服王アレクサンドロスによってギリシャ文明の世界が大幅に拡大したマケドニア時代。
アレクサンドロスの死後の後継者争いのヘレニズム時代、
そして最後のヘレニズム国家であったエジプトのクレオパトラ女王が敗れたことで
ギリシャはローマ帝国の一部となってしまいます、
しかし、ギリシャ文化はローマの中で息づき、長きに渡る西欧文明の基礎となっていくのです。
・・・彩色陶器や大理石像、金や銀の装飾品や祭器などの造形に
「ルネサンスっていうのは『この時代に帰れ』ってことだったんだなぁ」と
納得する部分はあったわけですが、個人的には実はそれほどぴんとこなかった・・・
というか自分の興味の対象からちょっとずれていたかなぁ、と思ったり。
常設展のコレクション展「菊畑茂久馬―月光」のほうに「月光をこう表現するのか」という
驚きを感じたりもしたりもいたしました。
次回企画展は年末年始の毎年恒例感がある北欧デザイン系展覧会、今年は「
デンマーク・デザイン」。
ロイヤル・コペンハーゲンにアルネ・ヤコブセン、と憧れのアイテムが並ぶ内容になりそうで
こちらもちゃんと見に行かないとなぁ。