アフガニスタン人難民Nが
何気なくテーブルに置いた電話機みて驚いた。
私が「ここではマスクをしなくてはいけません」
と注意したら
「え?もう、コロナは終わったんじゃあないの」
と彼は答えた。
彼が住む難民用住居には
テレビもインターネットの環境もないらしい。
母国の戦乱でまともな教育も受けていない。
彼は決してバカではないが、
基礎的教養に欠けていることに
しばしば気づかされてしまう。
インゴルシュタット市のコロナ感染状況の
グラフを見れば一目瞭然、と私の携帯電話で
そのサイトを開いて見せようとしてやめておいた。
彼がそのグラフを読みとることができるかどうか
不安だったからだ。
下手をすると、彼の自尊心を傷つけてしまう。
ただ、マスク拒否だけは
きつく注意しなければならないと義務感から、
おせっかいな義母ごとく、ガンガン言ってやってもらった。
外国人労働者中心にコロナ感染が広がるのは、
彼らが情報に接することが難しいからかもしれない。
シンガポールのような移民労働に頼り切っている国の
移民労働者もスマートフォンやテレビに接していないのかも。
ドイツの難民たちは、
健康を保ってもらうようにしてもらいたい。
彼らは隔離されて生活しているわけではない。
その辺で何気にすれ違っている毎日だ。