里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

植物の分類法

2010年03月03日 | その他
3月2日の朝日新聞に、植物の分類法が変わった事を載せていた。

DNA変異の差から類縁関係がかなりつかめるようになり、それを元に、
植物が生まれて来た順に、シダ類、裸子植物、原始的双子葉類、単子葉類、真正双子葉
類に分類される事になったのだそうだ。

この分類法では、今までのように双子葉類と単子葉類とに大別したり、合弁花類と離弁花
類とに分けたりする事は無くなり、
又、今まで他人の空似で集められていた科は解体されて分類し直され、小規模な科は近
縁科にまとめられるなど、植物の分類は様変わりしてしまうらしい。

その結果、
植物愛好家からは、「もう浦島太郎で良く分からない!」「覚えるのに悪戦苦闘!」と悲鳴
が上がり、図鑑などの出版社は「今直ぐ対応するのは難しい!」と当惑しているそうだ。
まして、素人の私たちにとっては晴天の霹靂で、ヤレヤレ…だ! 

【朝日新聞の記事から引用】
1.植物分類法の変遷
 ①先ず、 カール・フォン・リンネ(1707~1778年)が、属・科に分ける体系を整え、
 ②次いで、チャールズ・ダーウイン(1809~1882年)が、進化論を発表してからは、
  進化の歴史を反映させて類縁関係を元にした系統分類が定着し近年まで踏襲された。
 ③その後、
  1993年に、被子植物に初めてDNAを元にした分子系統樹が発表され、
  1998年に、欧米で組織された研究グループが分類体系にまとめ、
  2003年に、改定されてDNAに基づいた分類体系の完成度が高まり、今後国際基準に
         なって行く。

2.被子植物の分類体系の違い
  
今迄の分類体系新しい分類体系
単子葉類(イネ、ユリ)真正双子葉類(ゴマノハグサ、ユキノシタ、キンポウゲ)
双子葉類、合弁花類(キク、ゴマノハグサ)単子葉類(イネ、ユリ)
  〃  、離弁花類(ユキノシタ、キンポウゲ、睡蓮)原始的双子葉類(睡蓮、モクレン)

  ※新しい分類体系では、単子葉のまとまりは残ったものの、
   ・今までの様に、双子葉類と単子葉類とに二大別は出来なくなる。
   ・双子葉植物を、合弁花類と離弁花類とに分ける考え方が無くなる。
   ・双子葉類は、進化の過程で単子葉類より前に生まれたグループ(原始的双子葉類)
    と後に生まれたグループ(真正双子葉類)とに分けられる。

3.所属する科が変わる主な植物
  
植 物 名元の科名変更後の科名
アオキミズキ科ガリア科又はアオキ科
アジサイユキノシタ科アジサイ科
オオイヌノフグリゴマノハグサ科オオバコ科
ヨツバシオガマゴマノハグサ科ハマウツボ科
スズランユリ科キジカクシ科又はナギイカダ科
ムラサキシキブクマツヅラ科シソ科


4.名称が消える主な科と代表的な植物
  
消えてしまう科名合体先の科名
スギ科(スギ)ヒノキ科
カエデ科(イロハモミジ)ムクロジ科
トチノキ科(トチノキ)ムクロジ科
アカザ科(ホウレンソウ)ヒユ科



“春の妖精達”

2010年03月02日 | 庭の山野草
庭で、次々に発芽して来る山野草達。
これから芽吹いて来るその他の山野草や落葉樹に覆われてしまわない内に、子孫を残そ
うとして地面に現れると、もう既に蕾をつけている。

5月に、山の木々が若芽を開き始める頃になると、春を先駆けるこれらの花達は、殆ど
地上部が枯れてしまう。 1年の一瞬だけ華麗な姿を見せる事から“春の妖精”と呼ばれ
ているが、正しくその通りだ!
セツブンソウ(1/27)ホソバナコバイモ(2/3)
ミチノクフクジュソウ(2/27)カタクリ(3/1)
キクザキイチゲ(3/1)ヤマエンゴサク(3/1)



“チャイナシンドローム” の カタクリ

2010年03月01日 | 庭の山野草
庭のカタクリが、土の中から現れたと思ったら、もう蕾をつけている。

このカタクリには、地下の鱗茎(球根)が地下深くに潜って行く性質があるそうだ。
3年目で5cm、5年で7cm、7年で10cm、8年で15~20cmの深さまで到達して、ようやく
定着するという説や、どこまでも潜って行き、遂には消えてしまうという説もあるらしい。

どれが本当かは良く分からないが、植木鉢の上の方へ植えておいたカタクリの球根が鉢
の底の方へ潜っているのは確かだ。  そういえば、サイハイランも怪しい。 
いつまでも芽を出さないので掘ってみたら、これも球根が植木鉢の底の方へあった。
調べて見ると、原種のチューリップにも潜る奴がいるらしく、その潜る性質をドロッパー
と呼ぶらしい。

何故潜るのか?、まさかチャイナシンドロームのように地球の裏側まで潜って行くのか?
と考え始めると夜も眠れない!  彼等に是非聞いてみたい思いだ。

チャイナシンドローム (中国症候群)
「アメリカの原発事故で原子炉が暴走して炉を溶かし、やがて地中を溶かしながら遂に
 アメリカの反対側の中国にまで到達する」
という冗談から生まれた言葉。