旅が好き・そして日々の時間で気の付く事を。

旅では人々の生きた来た跡を訪ねてみたい。
時間が出来たので、今までにしなかった事に手を出してみようと思う。

「ハニー句会」 2023年七月例会

2023-07-04 15:47:42 | お仲間たちと
7月1日に例会を開催しました。


門屋定
辿り着き仁王が睨む梅雨晴れ間
杏熟れカラスも突つかず空(そら)とぼけ
壺に活け咲き揃ってる百合の花

二神重則
昼下がり目薬持てば時鳥
過ぎし日を石に映して春時雨
夏草に埋もれ蛸壺何叫ぶ

新井文子
境内の四ひら漂ふ花手水
遊び過ぎ今日は手抜きの冷奴
宿下駄の音を気遣ふ蛍狩

長井知則
噴水を浴びて奇声の子等は舞う
円虹(まるにじ)の帽子被りてデートする
乙女手に触れたが如く含羞草(おじきそう)

吉川正紀子
トンネルの緑を抜ける村のバス
どくだみの白い悪臭鼻もげる
水割りに夏の音聞くショットバー

高尾田山人
二葉では駄目なんですか桐一葉
青臭い記憶トマトの丸齧り
涼しいねシャツはだけての団扇風

玉乃井永
夏旱(なつひでり)校舎顔出すダムの底
ラーメンの後のコーヒー登山杖
雲の峰ベタ踏み坂の滑走路






「ハニー句会」 2023年六月例会

2023-06-03 13:34:46 | お仲間たちと


玉乃井 永
梅雨晴れ間連敗止めるタイムリー
甘い香(か)の天に至るや花蜜柑
花菖蒲雨の雫のおめかしし

新井文子
母の日や糠床に塩一握り
薬酒にと夫が摘んでる蛇苺
シーツ干し心も洗う梅雨晴間

門屋定
根切り虫情け無用の駆除をする
葉桜や吉野も八重も人寂し
短(みじか)夜(よ)や日の出が早い五時五分

長井知則
残る実や夏柑花に老い語り
十薬の八重の白花威張りたり
蛍(ホウタル)の源平乱舞争わず

高尾田山人
落ち着きがない虫の代表天道虫
絵には描けない風鈴のかたちかな
風死はて懲罰のごと待たされる

二神重則
糸の雨音無く香る花レモン
今日の日をもちょっと長く夕雲雀
蛍見や只銀色の四日月

吉川正紀子
蓮華咲き誇る耕作放置され
ルージュ出番マスク引退に
菖蒲いける背筋真っ直ぐに

愛媛新聞に掲載されました。6月17日


新聞社に掲載をお願いするに当たり、句会の折りの作品そのものでなくて添削を受けたり、句会の折の感想を入れて手直しした句があります。ご注目点かも。


「ハニー句会」 2023年五月例会

2023-05-06 13:13:29 | お仲間たちと


門屋定。
鍬入れて蚯蚓暴れて何処へやら
見納めのさくらと言えば八重桜
卯の花や今日も眺める老夫婦

高尾田山人
連休に雨を降らせる気象台
子が親に小言言ふなり子どもの日
柏餅昔の甘味はこんなもの

玉乃井 永*
緑さす色と光のシンフォニー
青葉潮(あおばじお)竜馬と並び懐手(ふところで)
袋掛美味しくなれと吾子の声

二神重則
鶯や鳩の伴奏黄昏れて
足跡は親しいらしい花筵(むしろ)
納骨の式に加えよホーホケキョ

長井知則
閏住(うるすみ)の卯浪(うなみ)に浮かぶ島の山
想い出の小さき捻じれや文字摺草
古女房古茶に負けぬ味を出せ

吉川正紀子
黄砂を含む風とも知らず鯉のぼり
糸切れの凧尻尾フリフリ宇宙へと
次世代に追い立てられて夏落ち葉


新井文子
夫静か眠気覚ましに新茶出し
回廊にかかる新緑御籤ひく
巣立ちして旅の支度や夏燕


5月21日の新聞に掲載されました。
今回は「ハニー句会」になっていました。有難いことです。










「ハニー句会」 2023年四月例会

2023-04-01 13:02:05 | お仲間たちと

門屋定
雛飾り令和になっても月遅れ
般若経覚えられずや彼岸明け
散歩道山の麓の桃の花

高尾田山人
時といふ金失くす朝寝して
亀鳴くや兎にひきはなされたとて
さくらとは限らぬものを季語の花

二神重則
水仙やわびしき部屋をリニューアル
行き過ぎて見上げる先や朧月
春彼岸母の味付け忘れけり

玉乃井永
二度見する白檀香る花衣
葱坊主首をはねられポンと泣く
ウミウシだ濡れるパンツにはしゃぎ声

吉川正紀子
花の宴昭和の歌に盛り上がり
おしゃべりもペースが落ちず桜餅
落ち椿声なき水に浮かびおり

新井文子
逞しくツクシ顔出す廃線路
夜半の雨八分桜の色冴えて
男前一張羅着て四月馬鹿

長井知則
常節を楊枝で突く伊豆の宿
風呂上り孫には無いと種痘痕
また来襲頭痛の種の黄沙かな


4月12日の愛媛新聞に掲載されました。


「ハニー句会」 2023年三月例会

2023-03-05 21:18:26 | お仲間たちと
3月4日 定例会を開きました、新しい参加者がありました。

長井知則
如月に逆らう昼間脱ぐ単衣
泣いている花粉症観て山笑う
蘇る都会の香り東風に乗り

八木健
徒党を組んで子等は見に行く御殿雛
草餅の三個目はやめとく我慢の娘
たんぽぽは背伸びしてから絮飛ばす

新井文子
亡き人の留守電の声朧月
石仏微笑む肩に春しぐれ
夢追いて夢を残して鳥雲に

玉乃井永
鳥雲に天守の先の先の先
風光る飛ぶが如くの斜張橋
寄せる波破顔で駆ける青き春

二神重則
風吹けば生きる喜び菜の黄色
売り家のほのかに揺れて水仙花
細雪詩心散らす群れ雀

門屋定
受験生最後は神に祈るだけ
薔薇の芽や鑑賞したい喜びを
どの家も緑少なし二月尽

吉川正紀子
摘み草やマニュキュアの爪台無しに
佳き風を今か今かと凧と待つ
いい仕事してます今日のウグイスは


「ハニー句会」 2023年二月例会

2023-02-04 16:22:12 | お仲間たちと

乃井 永*
初孫のよちよち歩き草青む
病窓に一輪二輪梅の花
寒行托鉢わらじ姿の持鈴澄む

八木健
節分の豆遺伝子の組み換えか
春立ちぬコロナの姿見えねども
今朝の春俳句手帳も新調の

長井知則
猫柳朝日と遊び喉鳴らす
公魚(わかさぎ)の引きを感じる濡れた手に
早春の想い出めぐるアルバムと

新井文子
髪切りて襟足の青春隣
欠け鉢の日向の匂い寒雀
節分やかぶる巻き寿司細くなり

二神重則
大寒にまたさびしさや爪欠ける
霙吹く昔のままの街路灯
雪の日やしばし雀の騒がしく

吉川正紀子
早春の大地や甘い香りして
プーチンに核で脅され冴え返る
日本の春や万物値上げの

2月12日 愛媛新聞


目白の逢い引き


「ハニー句会」 2023年一月例会

2023-01-07 20:11:11 | お仲間たちと
2023年、今年最初の例会を開きました。
作品の出来はさておき愉快な句が沢山ありました。




八木健
今や埋火あの頃の情熱は
天にオリオン場末にはオリオン座
借りたものすべて返して小晦日

吉川正紀子
沖縄の青い海のせ年賀状
エゴイスト初日の出まで一人占め
この空に立体アートの柿花火

玉乃井永
初便り金を無心のドラ息子
新雪や両手を広げダイビング
御神渡りの恋路危うし温暖化

新井文子
着ぶくれて家計助ける光熱費
大晦日摘まみ食いする夫ニヤリ
かたち良く稜線描く初御空

長井知則
笹啼きも練習次第でホーホケキョ
石鎚や雲の隙間の雪景色
初雪やへっびり腰のちゃんちゃんこ

二神重則
ひつじ田を真っ直ぐ裂いて飛行雲
笹の枝や払うばかりに障子影
紅白やピョンピョン跳んでうさぎ年
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近所を散歩していると面白い扉がありましたのでパチリ



「ハニー句会」 2022年十二月例会

2022-12-03 19:03:03 | お仲間たちと


12月になりました。本日は句会の忘年会です。
私今回は、季語で無いものをやで切って作ってみました。
土手に群生している朝顔そっくりの花は何だったんでしょう。

近くのお家に重くなった蜜柑がありました。面白いのでパチリ

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長井知則
夕飯のしめは雑炊3杯目
和洋折衷おでんの中にロールキャベツ
孫残す潤目鰯のほろ苦さ


八木健
宙を舞ふ気力の失せし濡れ落葉
神様を楽しませるがお神楽よ
楽器かと思つたんです虎落笛


二神重則
見仰げるや群れて朝顔遠い碧
絵ハガキや芒も花を付ける頃
神の手や黄葉散り敷く水の底


玉乃井
ああマスク新メンバーの顔知らず
年の瀬やピーポー速し救急車
冬ざれや車窓に映る薄ら禿


新井文子
銀杏舞う両手を広げ一人じめ
久々に姉の鼻歌小春かな
妻の背に鈍い銀色木の葉髪


吉川正紀子
冬うらら猫の昼寝の屋根が無い
冬が始まる切子グラスに紅付けて
ひと花を咲かせたつもり冬紅葉

12月22日 愛媛新聞に掲載されました。




県民文化祭連句大会 2022年11月

2022-11-24 09:15:31 | お仲間たちと
2022年(平成4年)県民文化祭連句大会
11月23日に愛媛県文化会館で開催されました。


午前中は、県埋蔵文化財センターの前園美知雄先生による講演「伊予の温泉(ゆ)と久米官衙群」
発掘された須恵器や瓦などから法隆寺との関係、瀬戸内の豊かな物流などを分かり易く説明頂きました。


知事賞と教育長賞などの表彰式がありました。


コロナの影響か参加人数が例年より少なく寂しい感ありです。
ただ、実作会の入門講座では賑やかにされていました。座長が良いですね。



 連句では三句の渡しが重要で面白いところ。辞書では打越(前々句)・前句・付句の三句間で句の変化のしかたをさしていう語。と書かれている。
 打越と前句で作られた世界を前句を軸として打越と全く違った世界の付句を作る。これがなかなか難しい付けすぎてはいけないが付いていないとダメ。このさじ加減が日本的と言えば日本的。中世近世~文人が夢中になるのも分かる。
 されど参加して作っても作品を見ても、前句を軸として作る付句がなんでこの様な発想になるのか分からない場合が多多。自分の生きてる社会の狭さがひしひしと。

 愛媛県各地の連句会一覧
興味を持たれたらご一緒に。



「ハニー句会」 2022年十一月例会

2022-11-05 20:36:55 | お仲間たちと
二人欠席で少し寂しい句会になりました。
全員が選句をするという、今までに無い快挙がありました。拍手!!

愛媛新聞12月2日に掲載されました。


玉乃井永
サミュエルの青春最中(さなか)冬紅葉
短日やあと一(ひと)畝(うね)の野良仕事
朝寒の髭剃りジョリリ音硬し

上甲彰
パチンコ屋ひとつなくなる神無月
こおろぎを食わなきゃいけん日が来ると
蜂の子有?(ます)の幟を立てて

新井文子
燗映えの地酒の旨い縄のれん
枯れ鉢の並ぶベランダ時雨月
特売の練り物今日はおでんの日

向田将央
袋詰め新米の粒もれぬよう
白星のあの宮相撲尽きぬ宴
新藁の編む手に孫の眼差しや

吉川正紀子
里芋を変身させてコロッケに
文化の日紙の勲章すぐ剥げる
渋柿も嫌われた過去干し柿に

八木健
憂鬱か首を傾げて菊人形
指がべとべと新松子(しんちぢり)接着剤
どれを噛んでも木の実の中は白いんだ

二神重則
木犀の客が来ぬかと昼下がり
右頬の陽当たり痛み秋終わり
筆置けば隈無く晴れて後の月

師匠の八木さんの本が新聞に掲載されました。




「ハニー句会」 2022年十月例会

2022-10-01 13:56:06 | お仲間たちと


蜜柑が重たい。品種は何?


向田将央 
秋夕焼けテントの中の小窓から
秋の声豪雨のあとの露天風呂
赤茶色吾子の甘噛み栗の腹

上甲彰
ウスバカゲロウで生死観を語る
色葉散る男は遠くを見ていたい
JA高知新高梨の重たさよ

玉乃井永
新藁の香りに眠る乳母車
渦描くタイムラプスの星月夜
竜胆やスマホ取り出す縦走路

八木健
曼珠沙華の土手に防草シート張るお馬鹿
パワハラの最たるものに鹿の角切
葬列のそぞろ歩きのそぞろ寒

二神重則
稲の花近くに迫る獣(シシ)の柵
レナードに溜息閉じて虫の夜
海霧や古人と時しばし

新井文子
秋深し煮物を焦がす長電話
辛口の喉にころがる新走り
隣家より懐メロ流れ秋時雨

長井知則
天高し山並み澄まし正装し
稲雀爺の柏手(かしわで)聞かぬふり
椋鳥(むくどり)の溜まり場散らす拍子木や

吉川正紀子
銭湯の解体に泣く秋燕
曼殊沙華黄昏の空染めて
秋風を通り抜ける楽しさローカル線


「ハニー句会」 2022年九月例会

2022-09-03 15:58:51 | お仲間たちと
上甲彰
石たたき殿あのやふになさいませ
おのずから爆ぜるちからを鳳仙花
キリギリスさん楽しかったこと話してよ

長井知則
コスモスを空に回して恋しがる
とうきびの髭を付けても爺なれず
重信の水澄む岸やコサギ群れ

玉乃井 永*
葛の花老婆の畠を奪い取り
秋暑し愚図る赤子にユーチューブ
車中泊BGMは虫時雨

八木健
貧貧と吾を急き立て(せきたて)蜩は  
平仮名のときさんづけにする秋刀魚
星屑は飛沫(しぶき)にあらむ天の川 

吉川正紀子
引越しの空き家に残る秋簾
図太さやドカリと座る枇杷の種
何処にいるのか隠れ上手の秋の蚊は

新井文子
ステテコのほつれ繕う秋麗ら(うらら)
コスモスのゆらゆら揺れてシャツを干す
懐メロの歌に誘われ月見酒

二神重則
ソソラ空昔江戸町駅西日
山里や夕焼け小焼け隅々に
黄昏れて蜩奥で陰を呼ぶ

向田将央
友の眠る園に白梅乱れ咲き
冬近し拍手の先のライバルよ
鼻唄といも焚き会へペダル踏む

10月15日の愛媛新聞に掲載されました。


「ハニー句会」 2022年八月例会

2022-08-06 15:04:23 | お仲間たちと
何時もの如く、個性的な面々による句会。
今回は選句がバラつきました。
八木健
子規さんの句にも出てくる糸瓜水
米搗バッタ低姿勢にもほどがある
生えてる場所の見当がつく鉄道草

上甲彰 欠席
梅雨明けよし!と指差し確認 
俳句の日に生まれましたと俳友
お昼寝は陽翔(はると)眠らせ次菜七(ななな)

二神重則
さざ波や入り江に沈む蝉の声
梅雨空や何時まで続く貨車の列
テロリスト心蕭々(しょうしょう)夏大路

玉乃井永
蝉時雨ひそひそ話大声で
朝市の訛ほっこり大日除
夜光虫櫂の雫にサスペンス

長井知則
文月(ふづき)や母の草書は前後で讀む
天の川昔はもっと水があり
坂道を登りて孫と墓参り

吉川正紀子
親からの遺産を抜かれ歯科の椅子
独り居のビキニ過ごす熱帯夜
特大のメロンが届く絵手紙で

向田将央
風死してぴくりもせずの土俵際
指の腹ゴーグルこする海開き
間に合わず車窓の先の遠花火

新井文子
ふる里の薪の匂いや髪洗う
唐揚げをつまみ食いする缶ビール
夢尽きぬ二人の空に星月夜

9月例会は昼食でも取りながら、今回の点数制度の評価をします。

18日の新聞に投稿が掲載されました。



今年も庭に黒糸トンボが来ました。お盆です。テレビでは終戦特集をしています。

「ハニー句会」 2022年七月例会

2022-07-02 14:16:02 | お仲間たちと
暑いあつい、今年は6月から暑かった。梅雨がいつの間にやら明けていた。
明日からの台風に雨の期待。

上甲彰
種の殻付けて太りし向日葵よ
カツ丼とビール!ムショ帰りみたいだな
さらさらに笹舟ながす男女川

二神重則
山迫るツツジ小さな雨上がり
見ぬ人の海の子だった浦の風
真っ直ぐな畦道清し塩トンボ

八木健
せせらぎが川床料理のBGM
単調を心得て吹く祭笛
夏痩せは添削のごとすつきりと

玉乃井永
風鈴の短冊乱舞フォルテシモ
藤の椅子海馬に潜むエマニエル
ひまわりの顔顔顔の迷路かな

長井知則
豊線を描くキャンパス白絣
訳け聴けば待ってやるべし青田刈り
本心の純白光る半夏生

吉川正紀子
椅子がたいくつ長梅雨の喫茶店
夏の水ヒップホップと跳ねている
金魚飼う金魚の顔して餌をやる

新井文子
戯れて砂に重なる素足跡
闇夜に恋した蛍は今夫に
冷やし酒枡にこぼれて喉鳴らし

向田将央 欠席
梅雨の朝見おろすカラスの高笑い
炎天にどちらの汗か初乗馬
炎天の避難訓練砂も舞う

8月6日の愛媛新聞に掲載されました。



「ハニー句会」 2022年六月例会

2022-06-04 13:57:29 | お仲間たちと
ハニー句会は投句はメールで募集して、主催者がPCを使いシャッフルし
当日は、投句集を持参して句会が始まります。

忙しい世の中です。

上甲彰
スマホのカメラざんざら真菰音も録る
女郎蜘蛛触る勇気があるかしら
買ってくかマンゴー一キロ二万ドン

玉乃井永
梅雨晴れ間和傘咲く咲く天日干し
フェンス越し四葩(よひら)顔出す此処彼処
咲き垂れてモデル気取りの花菖蒲

二神重則
白雲の見下ろす峰や夏立ちぬ
見上ぐれど雲雀声する青い屋根
待ちかねた蝶は草の辺乱反射

長井知則
家を捨て我が家に来たか蛞蝓(ナメクジ)は
零れ陽に淡く色づく額の花
散り急ぐオリーブの花や次々と

八木健
岩に腰おろして喫むや岩煙草
ハンカチは六月の季語坂の道
水番か水盗人の句の作者

吉川正紀子
我が腕に仲間はずれの蛍這う
春落ち葉吹きこなしてるミュージシャン
田に水を入れて映せば月やさし

新井文子
街路樹にポツリポツリと走り梅雨
梅雨曇りソファーに尻の後深く
母の日や厚焼き玉子の塩加減

向田 将央
落ち響くピンポンだまの梅雨はじめ
一張羅へっぴり腰の田植の子
しゃがぬようひらりと交わす青梅を