先月、30数年前の同僚からオリバー・サックス著の「妻を帽子とまちがえた男」「レナードの朝」を頂き読む機会をもらいました。著者の患者を診る視線と優しい文に改めてこれらの本を頂いた事を感謝しました。
またメールで今回放映のお知らせをもらいました有難いことです。
本を読み映画を見て 眠り病なんて流行病があった事そして物語はその後遺症の患者だったと、ウン十年前の映画の記憶に大切な部分が欠けていたことを知りました。
患者の一人が副作用や投与量の問題で投薬が出来なくなり元の睡眠状態に戻るなら殺してくれと頼むところを読みました、安楽死との関連で死を望むのに痛みだけでは無いものが数多くあると知り考えさせられました。70歳代の数年間尊厳死協会のお手伝いをしました。安楽死と尊厳死、日本の集団主義が法制化を阻害していると思っています。個人を大切にするなら安楽死も可能な社会が実現すると考えます。また尊厳法制化に反対している人達にも安心して生きて行けると思っています。
NHKで放映されたドキュメント「彼女は安楽死を選んだ」が話題になりました。
「積極的安楽死」が許容される4要件とは
(1)耐え難い肉体的苦痛がある
(2)死期が迫っている
(3)苦痛を除去、緩和する方法がほかにない
(4)患者の明らかな意思表示がある
苦痛は肉体的苦痛だけではないと思うが難しいことです。
もう一方の「妻を帽子とまちがえた男」は、営業マン現役の頃とあるリハビリテーション病院でドクターからこの不思議な障害について教えてもらいました。視界の半分が失認される事や失語症はその後ST言語聴覚療法の専門家が求められる様になると言われていました。
60歳代にパソコンを使った障害者の就労の場を仲間と作りました。そのNPO法人に一人の利用者(この言葉は嫌い)が居られました。事害前の記憶はそのままで新しい記憶が残らない、高次脳機能障害という新しい名詞も覚えました。ご本人は現役の頃コンピューターの技術者で、インターネットを使う障害者就労の現場はCがメインでおよそ20年のギャップがありました。真面目な御仁で定時に出てこられ、およそコンピューターとは関係のない作業をお願いしました。通勤の姿は働かれていた当時のファッションでした。奥さんから受傷当時のご苦労を聞きました、想像するだけですが頭が下がりました。
サックス先生が書かれているように私もその方に冷たいことを言ったのではないか、今どの様にされているのでしょうか。
この本は、読むまで認知症の本だと勘違いをしていました。思い違い恐るべしです。
本も人も出会いと時を経て繋がる事があると思った次第です。
そして映画も・・・心を打つ映画でした。
その他
看護師さんのコスチュームが懐かしい。
挿入音楽の’Dexter's Tune’何処かで聞いたことがある。
アメリカの人は「白鯨」が好き
寄付の文化が素晴らしい。