・台風や大雨で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
・台風や大雨で浸水や土砂崩れのために甚大な被害が出ています。一日も早い復興が望まれるところですが、復興に当たって思うことがあります。
・浸水や土砂崩れは、地形と深く関係しており、河床よりも低い土地や急斜面に近い土地に建てられた家の被災が多いと思います。
・今後、土砂を取り除き、ライフラインを復旧して、家の修理や建て替えをすることになるでしょう。しかし、同じ場所で建て替えたとすれば、再び同じ被害に遭うリスクがあります。確かに堤防を強化するなどすればリスクは小さくなりますがゼロにはなりません。
・もし家を建て替えるとすれば、河床より高い土地や急斜面から離れた土地が必要でしょう。地域の絆を考えれば現在の家の場所にできるだけ近い場所が良いと思います。しかし、新たに土地を購入することになれば多額の必要が必要です。
・一方、現在では将来にわたって空き家や空き地になる可能性の高い物件もあります。何年にもわたって所有者が分からない場所もあります。こうした土地の中には浸水やがけ崩れのリスクが低いものもあります。
・近年では所有者不明の土地を国に移管しやすくするための登記手続きが改定されていると聞きますが、さらに進めて、浸水などの被災リスクの低い土地を自治体が購入しやすくする制度の整備が必要だと思います。たとえば、放置する年月が長い程「放置税」を累進的に課税するといったことも検討してはどうでしょうか。
・こうして自治体が確保しておいた土地を災害時に被災地と交換する制度を作ったらよいと思います。
・私有財産制度などとの関係で難しい問題があるでしょうが、難しいことを理由にすることは行政の怠慢と思います。少子化が進む中、住まいに必要な土地面積も減ってきます。少子化を防ぐことができれば、それに越したことはないでしょうが、防げないとすれば、それを活用することも考えるべきだと思います。
・国土強靭化のなかで防災は重要な位置を占めます。自治体や国には防災のため長期的で根本的な取り組みを一層強化していただくよう切に望みます。