廊下のむし探検 第108弾
11月21日にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。
また、コバチです。前胸背板前縁角が角ばっているので、カタビロコバチ科かなと思うのですが、よくは分かりません。
これはタマバエ科。たぶん、以前調べたことがあるLestremiinae亜科のAnaretella属だと思うのですが、それから先は分かりません。
それにナナホシテントウ。
時間がかかったのはこのハチ。縁紋の大きいところが目立つのですが、どうも翅脈がはっきりしません。以前撮った写真と比べてみて、コマユバチ科かなと思って、ネットで探してみました。サムライコマユバチ亜科のCotesia属としているサイトがいくつか見つかりました。とりあえず、亜科が合っているかどうか調べるために、亜科の検索表を調べてみました。
C. van Achterberg, "Illustrated key to the subfamilies of the Braconidae (Hymenoptera: Ichneumonoidea)", Zool. Verhandelingen 283, 3 (1993).(ここからダウンロードできます)
サムライコマユバチ亜科は英語ではMicrogastrinaeなのですが、検索表を追いかけていくと、検索表のだいぶ後の部分で登場するので一筋縄ではいきそうにありません。それで、Microgastrinaeの項目だけを見てみました。この写真だけで分かるのは翅脈と触角なので、そこだけ訳すと次のようになります。
触角は18節;前翅の2-SR脈はr脈につながる。
これを写真で調べてみることにしました。
まず触角ですが、辛うじて18節であることがわかります。
翅脈はどうもはっきりしません。それでも上の論文の図に従って名前を付けてみたのがこの写真です。翅縁に向かう脈がはっきりしないのですが、rと2-SRと書いた脈が途中で曲がっているので、たぶん、ここから翅縁に向かう脈があるとすれば、ここで二つの脈に分かれ、上に書いてある通りであることが分かります。でも、採集しないとどうしようもありません。属の検索もできていないのですが、Cotesia属だとしても日本産は30種ほど記録されているようなので、まだまだ大変そうです。
これはマルツチカメムシ。これで廊下で見つけた虫は全部です。
その後、ちょっと外を散歩しました。柿の小さな実がなっていました。
それから、これはカナメモチではないかと思います。