ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

挫折

2012-04-10 23:37:23 | Weblog
負けるとわかっている勝負はしないことにしているが、
無駄だとわかっている勝負は、一応してみることにしてる。

ということで、今日は会社で言いたいことを言った!
そのつもりだけど、中国語だったから、伝えきれた自信はない。
言語の壁って、やっぱりあるよなあ。

そもそも日本に来たことがない中国人に、
中国語で、日本人の感覚の話をしようとしても、それは伝わるわけがない。
だから、なるべく中国人に伝わるような「合理性」の話に寄せるのだけど、
まあ、伝わらないだろう。ダメ元だ。無駄で十分。
無駄を試してみなきゃ、何も生まれない。と、自分をなぐさめてみる。

昼間、同僚の日本人と話をしていて、ふと気がついた。
私は挫折というものを味わったことがない。

両親の離婚は、ショックだったけど、私のせいじゃない。
成績が悪くていい大学に入れなかったのは、私が努力をしなかったせいだから自業自得。
母の看病で、生活の自由が少ない時期があったのも、私が悪いわけじゃない。
父が急死したのも、私にはまったく責任がない。
会社を点々としたのは、私の性格のせい。
でも、一応、やりたい仕事という目標をもった転職をしている、つもり。

いろいろ考えた末に「挫折」として思い出したのは、幼稚園のころのこと。
将来、当然ピンクレディになると信じていたころ、私の声域は低くて、
美しい高い声が出ず、ついでに音痴だと自覚し、歌手にはなれない、と悟った。

そして幼稚園で歌がうたえなくなり、家でも歌をうたわなくなった。
ある日、母に「どうしたの?」と聞かれたのでワケを話したら、
母がクラシックの、確か第九のカセットテープを引っ張り出してきて、
ソプラノ、アルト、テノール、バスの合唱を聴かせてくれた。
曰く、人の声にはそれぞれの範囲があって、それぞれのよさがある。
その範囲の中でいかに心を込めて歌うかが大切、と。

ということで、初めての挫折も、私にとっては、決して挫折ではなくなった。
ただし、いまでもカラオケは苦手だ。