ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

2012-04-15 18:07:12 | Weblog
ひとりで休日出勤していたら、
どこかから、コツコツ、コツコツと音がする。

ついに座敷童か怨霊が出てきたのかと思い社内を見回しても、
何も異常はない。
昼間は見えないのかと思って仕事に戻ると、また音がする。

音の出所のほうに歩いて行ったら、
中国人の同僚が飼っている亀が、じたばたしていた。
1メートルくらいの距離に近寄ると、
首を長くして、こちらをジッと見つめる。
そして短い前足をかく。

これは、犬と同じだ。
お腹がすいているんだ。

そう思ったので、飼い主の同僚の机にあった金魚の餌をあげることにした。
金魚の餌でよかったのかわからないけど、それしか見当たらなかったから。

悩んでいる少しの間に、亀はプラスチックの壁をよじ登ろうとし始める。
そして滑って、落ちて、仰向けになったので、
まずひっくり返してから、金魚の餌をあげた。

亀なんか飼ったことないし、適量がわからない。
食べるかどうかわからないから、試しにほんの少しあげた。

とりあえず仕事に戻ると、また、コツコツ、コツコツ、と呼び始める。
単に甲羅がプラスチックの壁にあたっているだけなんだけど、
どうやら亀のサイズに比べてお部屋が小さいらしく、
すごくストレスがたまっている様子。

一瞬、外に出してやろうかと思ったけれど、
手が届かないところに隠れてしまったらイヤだし、
やっぱりごめん、と思って、もう少し餌を追加した。

どうやら、比較的頭がよいらしく、
「今日見える人影は、餌をくれる」と覚えたらしい。
とにかく、私のほうに、にじり寄ろうとしてくる。

か、かわいいじゃないか。

明日、あの亀が私を見分けられるほど記憶力がいいとは思わないけど、
さすが浦島太郎の昔話に出てくるだけあって、
心が通い合う程度には、賢いらしい。感動した。