豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

深夜映画

2008年02月10日 | Weblog
暮れから新年にかけて・・とか連休だとかの深夜にテレビで映画が流されることがありますが、昨日は久しぶりにそんな映画を見てしまいました。特にそれを目当てにしていたわけではないのですが、冒頭のシーンに興味を引かれずるずると見始めたのでした。

始まりは、小学一年生の作文の授業のシーン。出されていた宿題は「私の家族」。前に出て一人一人が作文を読み上げていきます。主人公の娘の番です。彼女の両親の紹介から作文は始まり、それはそのまま映画の内容へと展開していきました。

彼女のパパは、27歳にして100人の部下を持つという敏腕宣伝マンでした。歌手の売り出しに大きな力を振るう自他共に認める仕事大好き人間です。ママは優秀な編集者。こちらも忙しく働いています。二人は恋に落ち、結婚し、子どもができます。ニューヨークのお洒落なアパートでの慌しくも華やかな生活。この家族の暮らしはずっとそのまま続いて行くはずでした。・・・・が、出産とともに命を落としてしまったママ。
悲嘆にくれるパパは、仕事と育児の両立に破綻を生じ、ニューヨークから少し離れたパパのお父さんの住む実家に一時避難。娘はその後順調に小学校に上がるまでに育ちました。おじいちゃんの仕事を手伝いながら暮らしているパパ。でも、その道路清掃と水道の工事・・・に飽き足らず、元の華やかな生活に戻ろうと画策しています。
とはいえ、かつて赤ん坊の世話に追われて大事な会見でとんでもない悪態をついてしまい、半ば追放されるように宣伝の仕事から去ったパパでした。そうそう雇ってくれる奇特な会社はありません。それでも諦めきれないパパは、ある出来事からやっぱり自分には宣伝の仕事が向いていると、かつての部下を訪ねて力になってくれるように頼みます。その部下の尽力でなんとか元の仕事に戻れることになり喜ぶパパ。その時に何故か偶然出会ったのが、ウィル・スミス。本人が本人役でご出演です。(NHKの朝ドラ「ちりとてちん」の五木ひろしさんみたいですね。)パパは、ウィル・スミスさんに「どうしてあんな超大作に次々と出演できるのですか?」と尋ねます。スミスさんは言います。「子どもを養うためさ・・」。続けて、「子どもは、いいね。」。さらに「役者をやっているのは、自分がバカだからさ・・。もっと利口だったら、ずっと子どものそばにいる生活を選ぶよ。」とも。

パパはその時、復職のための大事な面接を控えていたのですが、それを急遽取りやめることを決めました。娘の学校の学芸会に戻るためです。うっかり面接と学芸会をダブルブッキングしてしまったパパは、自分が出演するはずの役をおじいちゃんに肩代わりしてもらっていたのでした。途中で道路工事に阻まれたりしてやっと辿りついた学芸会の舞台。間に合うはずのないパパを迎えて出し物に熱の入る一家。
パパは、ニューヨークでの華やかな生活に復帰することよりも、田舎の町で娘やおじいちゃん、そしてママを亡くして以来始めて出会えた気の許せる女性と暮らす生活を選んだのでした。きっかけは、ウィル・スミスとの出会いでした。だけど、彼に出会う前からパパの中では出ていた結論だったのでしょうね。

とまあ、素直な展開の映画ですが、飽きることなく見せてくれたのは、パパ役のベン・アフレックの魅力が大きかったのかもしれません(チェック、チェック!)。彼の娘役の女の子のおませな感じも可愛かったですし、おじいちゃんもおじいちゃんの仕事仲間もビデオショップのアルバイトの女性(たぶん、再婚の可能性大ですね!)も、みんな愛すべき素敵な人たちでした。
最後に、製作者のお父さんの生前の写真とそれに添えられたクレジットが流れました。この作品は、亡きお父さんに捧げられたものだったのですね。題名は「世界で一番パパが好き!」。

今朝のテレビであの強気(を演じている?)な西川史子先生が、ご自分の家族を持たない不安を述べていらっしゃいました。普段のさまざまなご発言からは意外な内容に驚きましたが、素直なおっしゃりようにこちらも素直に受け止めました。

誰に認められることがなくても、何にも代えられないものがあるということを時々思い出すこともいいものだなと・・改めて綴るのが憚られもしますが、とりあえずそんな感想を忘れないうちに。