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【読書感想文】ナイチンゲールの沈黙

2007年02月13日 03時26分05秒 | 読書感想文
以前にこのブログに書いた『チーム・バチスタの栄光』の続編。今回も舞台は東城大学医学部付属病院。



『ナイチンゲールの沈黙』
作者:海堂尊

ストーリー:
小児科病棟に勤務している看護師・浜田小夜はある晩、伝説の歌姫・水落冴子のシークレットライブに参加、小夜が歌っている途中に倒れた冴子をそのまま東城大学病院に搬送する。
冴子を入れる空き室がないため、急遽VIPルームに入院することになったため、”愚痴外来”の田口公平が担当することになった。

小児科病棟には牧村瑞人という14歳の患者いた。彼は眼球の中に癌があるため、片目を摘出しなければならないが、本人は拒否。片親である瑞人の父もまったく病院に顔を出さないため親の承諾も得れていない状態であった。
だが時間がないことから意を決して瑞人の父に会いに行った小夜は、手術の承諾書を渡す。そして数日後、瑞人の父親に承諾書を渡すという名目で呼び出された小夜は瑞人の父に襲われそうになる。
翌日、瑞人の父が自宅で遺体となって発見された。しかも遺体は解剖されており、摘出された臓器は部屋中に散らばっていた。
警察庁から桜宮署に出向中の型破りの警察官僚・加納達也警視正は早い段階で小夜と瑞人を容疑者として特定した。しかし小夜のアリバイは固く、入院中の瑞人の犯行を証明するのも難しかった。しかも入院患者であり未成年の瑞人への聴取は簡単にはできないため、学生時代の同期である厚生省の白鳥に病院内での調査を押し付ける・・・。


感想:
今回も田口&白鳥が調査をする話なのだが、犯行を証明する手法がいまいちというか納得いかないというか、釈然としない。もう少し論理的な解明方法を前面に押し出してほしかった。それなりに伏線も張られているのだから、もったいない気がする。
また、登場人物の人物造形が前作以上に臭いというかわざとらし過ぎるというか、特に冴子とそのプロデューサー・城崎が小夜とするやりとりがなんか読んでる方が恥ずかしくなるセリフばかりで正直白けた。
作内に登場するウルトラマンの二番煎じ特撮ヒーローもの「ハイパーマン」が面白い。下手すると本編よりそっちの方が面白いかも。

なんかすごい酷評になったが、まぁ普通に面白い。白鳥が桜宮巌雄をばっさり断罪するセリフは本作の白眉。でも医学ミステリーという観点からは前作の方が全然面白いかな。
あと細かい設定多すぎ。