止める自信がない…

2021年10月17日 12時54分56秒 | 意見・物申す
潰瘍性大腸炎の男性、薬の処方ミスで「死ぬ思いをした」医師と薬剤師を提訴

職場でも軽く話題になりました。
このニュースは今のところ情報が少ないのが難点.

もちろん医師、薬剤師に責任はあると思うのだけど
〇お薬手帳を提示していたか?
〇“同じく近くの調剤薬局で提供をうけた”とあるが同一の薬局か?

実際のところ調剤薬局などで、さっさと薬を渡せとばかりに
急かす人も多いそうだけど今回はどうだったのだろう?

まず今回、注目されているのはアザニンとフェブリなんだけど
確かに国家試験に出てくるような事例ではあります。
添付文書には以下のような記載
アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、
メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。
本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある


単純に言えばアザニンの副作用が強くでてしまったと推測されます。

正直を言えば私はこれを監査で止める自信はありません。
調剤薬局には調剤のシステムの上で併用禁忌にはアラームをかけるシステムがあるそうです。
薬を別の日にとりにくるだとか、処方元が異なったりしてるとそのシステムを十分に生かせるか疑問です。
当院の場合だと複数科でも処方が被っていればエラーがかかると思いますが
他院の薬だとそれ自体機能しません。他院で貰ってる薬をいちいち入力しているのは
入院患者の持参薬が対象で、外来患者の分までやるのは非現実的でしょう。

弁護士の言うように“知ってて当然”というのは否定しませんが、
薬が何千、何万とあるなかでそれらが複数組み合わさていると何万通りにもなります。
結局は経験とかでカバーするしかないのですが、複雑で雑多な日常業務の中でこなす自信もありません。
せめてこういった有名な事例だけどはひっかけていきたいとは思いますが…

*併用禁忌の例(ただしスタチン+フィブラートは禁忌だったけど条件次第でOKになった)


お薬手帳があれば・・・という意見もありますが難しいところです。
先日、持参薬鑑別でお薬手帳を2冊持ってきている人がいて
A医院用、B病院用と分けて使われていました。
中身をみると日付の間隔が15日程度なのにどちらも91日分処方…
同じ薬が2,3個あるし重複服用している可能性もあります。

お薬手帳の電子化も進んでいるみたいですが今のところ全く使えません
個人で情報を持つのは結構なことですが、こちらに情報が伝わらないからです。
入院してきたときもスマホに情報を入れてあるものの、こちらに情報が伝わらない。
スマホを借りてコピーをさせて貰ったらベストですがスマホを預けるのに抵抗があったり…
情報のインプットはできるもののアウトプットする手段がないと言ったところです。


ちなみに今のところEPARKがシェア1位のようです。
というか互換性あるんですかね??


お薬の情報こそ国が主導となって全国統一すべき事例だと思うけど
コロナでそれどころではないし、国も病院も薬局や薬剤師にはなかなかお金をかけてくれないんですよね。
なので情報を一元管理→相互作用などのエラーを炙り出すって時代がくるのはまだ先かも知れません。

最後にお薬手帳の正しい使い方



潰瘍性大腸炎の男性、薬の処方ミスで「死ぬ思いをした」医師と薬剤師を提訴

一緒に飲むことを制限されている薬を処方されたことで極度の貧血状態となり、17日間入院した東京都の男性(49)が10月12日、薬を処方した医師と調剤した薬剤師に過失があったとして、慰謝料など約1110万円をもとめて東京地裁に提訴した。
原告の電気工事士・新城祥敬さんは、潰瘍性大腸炎の持病がある。提訴後の会見で「医師も薬剤師も謝罪もない。併用禁忌について患者は何もわからず、お医者さんと薬剤師さんを信用して飲むだけ。怖い思い、死ぬ思いをしました。謝罪だけでなく、反省してほしい」と話した。●顔色が真っ白で極度の貧血に

訴状や会見での説明によると、潰瘍性大腸炎の持病があり、自宅近くのかかりつけ医の紹介で訪れた大学病院で処方された免疫抑制剤「アザニン(アザチオプリン)」を2017年から服用している。

2020年8月、痛風の発作に襲われ、9月7日になって、自宅近くのかかりつけ医から痛風の治療薬「フェブリク」を処方され、同じく近くの調剤薬局で提供をうけた。

2種の薬の服用から約3週間後の10月1日、仕事中に階段をのぼったところ、顔色が白くなり、息切れ、動機、めまいといった貧血の症状があらわれ、同様の症状は、12日には日常生活でも起きるようになったという。

20日、かかりつけの病院で「フェブリクの副作用ではないか」と尋ねたが、医師は否定。その際の採血の結果、赤血球や白血球が低数値を示したことから、潰瘍性大腸炎の治療で通っている大学病院を受診したところ、「何だこれは。生きている人間のデータじゃないよ」などと指摘され、持参したおくすり手帳から、併用禁忌の疑いが生じたそうだ。

すぐさま両薬の服用を中止し、同日から11月5日まで入院し、重度の貧血治療として、輸血などの措置をとられた。

新城さんの代理人をつとめる石上晴康弁護士によれば、2種の薬の併用は「禁忌」とされ、骨髄をつくる作用が抑制されるという。新城さんの貧血もこれが原因ではないかとのことだ。

「かかりつけ医も、調剤薬局も、アザニンを飲んでいることを知りながら、併用禁忌のフェブリクを提供してしまった。薬剤の説明書にも併用禁忌であることは書かれており、医療に携わる人にとって常識です」(石上弁護士)

そこで、過失によって死亡寸前の重篤な貧血症状を起こしたとして、裁判を起こした。

●かかりつけ医のコメント

かかりつけ医は10月12日、弁護士ドットコムニュースの取材に「詳細がわからないため、現状ではコメントできません」と答えた。薬局にも問い合わせたが、9月いっぱいで薬剤師は退職していた。

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