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最高治安委員会がフェトフラー・ギュレンの脅威を討議

2014年02月26日 | 国内
2月27日 トルコの最高治安委員会(MGK)が、いわゆる“国家の中の国家のような組織”とその活動について討論し、アメリカ在住のイスラム学者フェトフラー・ギュレンを、国の治安の脅威になり得る存在として認定しました。

 Hurriyet
MGKの討論にはギュル大統領が議長を務め、軍部と政府のトップ・クラスが参加した


2月26日、国家治安委員会の2か月に1度の例会が開かれ、「国の治安と国民の安寧を脅かす組織とその活動について討論された」という声明が出されました。
「地方選挙の安全を守るための対策も検討された」と声明書にあります。

MGKはギュル大統領を議長とし、最高ランクの軍人と政府の最高官僚が参加しました。
この声明書は、現政権・公正発展党と、いわゆる“国家のような組織”との闘争が、政府にとって国家治安の問題に発展したことを示しているようです。

エルドアン首相と彼の息子のビラル・エルドアンの音声の記録と言われるものがYouTube に出まわった2日後に、この動きが始まりました。
エルドアン首相は、テープをでっちあげたとして“国家のような組織”を告発し、戦いを誓っています。


今年のトルコは干ばつ。でも、水の心配はない」と水道相

今週のトルコは季節はずれの暖かさになるでしょう。しかし、都市部に住む人々は夏場の水不足に脅えています。
イスタンブールのダムの水位は30.8%まで、アンカラは36%まで下がりました。

 Hurriyet
イスタンブールのダムの水位は30.8%まで下がった


トルコは今週末まで暖かいだろうと、気象庁は言っています。このまま雨が降らず、暖かい日がつづけば、ダムは都市が必要とする水をまかなえなくなるだろうと、気象庁は予想しています。
国立水道局のデータによると、イスタンブールに10あるダムの水位は、30.87%まで下がったそうです。水位は最も多いオメルリ・ダムで42.11%、最も少ないパプチデレ・ダムで0.18%(ということはカラッポですね)。

イスタンブールのカディル・トプバシュ市長も、2月17日、ツイッターで「イスタンブールは干ばつに見舞われている」と認めています。

ヴェイセル・エルオール森林・水道相は、イスタンブールでは毎日、250万立方メートルの水が使われているが、市は水の供給が滞ることはないと保証しました。
「水不足はないでしょう。当局は水を供給しますから、ご心配なく。政府にはA,B,Cのプランがあります。
現在、最大野党・共和人民党の市政下にあるイズミルが水不足になったときも、水道省は救援しました」とエルオール水道相は言いました。
「週末を過ぎれば、雨が降るでしょう。水の供給は問題ありません」

他の大都市も干ばつに直面し、ダムの水位は下がっています。アンカラの6つのダムでも、水位はトータルで36%に低下。イズミルはイスタンブールにくらべて、ややよく、最も減ったギョルデス・ダムで19.56%。

メフディ・エケル農業相も先月、わが国は深刻な干ばつに見舞われていると警告しました。
「トルコは気象による激しい干ばつに見舞われ、懸念される。われわれはこれが来週には終わるよう希望し、祈っている」

1月10日、エルオール水道相は、「イスタンブールは7年ごとに干ばつに見舞われる。2014年はちょうど7年目だ」と言いました。
「2014年も干ばつの年になるでしょう。しかし、われわれは対策を講じています。心配する必要はありません」

・・・大臣の言うA,B,Cのプランって、なに? ほんとに夏場も水がちゃんと出るの?


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首相は彼を陥れようとする盗聴を“下劣な攻撃”と呼んだ

2014年02月26日 | 国内
2月26日 最初に、いま、トルコ政界をゆさぶっている電話盗聴騒動について、簡単に説明しておきますね。

エルドアン首相が汚職に関与していた証拠という電話盗聴記録がネットに流れ、それを与党が取り上げて首相を攻撃した。首相は怒って「でっち上げだ、盗聴こそ違法だ、ギュレンの仕業だ、司法に訴える」と言っている・・・まあそういう話です。興味のある方、お読みください。

 Hurriyet
国会で公正発展党の議員に挨拶のことばをかけようと席を立ったエルドアン首相


エルドアン首相は2月25日の議会のスピーチで、彼に汚職の罪を負わせようとする電話盗聴記録の信憑性を否定しました。
「昨日、彼らは切り貼りしダビングした芝居を発表した。彼らがしたことは、トルコの首相に対する下劣な攻撃だ」と首相は言いました。

2月24日、インタネットに新たにリークされた盗聴電話には、警察の汚職手入れが行われた12月17日に、エルドアン首相と彼の息子の間で交わされたという4本の電話が含まれていました。

「証拠があるというなら、なんでも出しなさいと、私は何週間も言ってきた」と首相は言いました。「すると、彼らは不道徳にもモンタージュした記録をつくって発表した。でっちあげにも、モラルと礼儀はあるだろう」

首相はまた、共和人民党(CHP)と愛国者運動党(MHP)が、リークされた記録をネタに呆れた談合を行ったとして、おめでたい与党を非難しました。
「CHPとMHPのリーダーたちは、そのモンタージュを利用しようと考えた。だが、そんなことをしても、投票に影響はないし、クーデターも起こらない。おそらくわが党は、海の向こうからの助力のおかげで勝利できるだろう」と、エルドアン首相はアメリカに住むフェトフラー・ギュレンを皮肉りました。
汚職捜査はギュレンが仕組んだものと、首相はくり返し言ってきました。

盗聴記録は政界にショックの波をひろげ、首相府はこの“でっちあげ”とCHPの辞職要求を非難する声明を出しました。

2月25日、MHPはCHPの政府総辞職要求に加わり、デヴレット・バフチェリ党首は、盗聴記録に“びっくり仰天した”と語りました。

「エルドアン首相が息子ビラルに電話し、兄弟や叔父たちと集まって、できるだけ早く彼の家にある盗んだ金を処理するようたのんだことがレポートされていた。首相があわてて、22億リラの汚い金を違う住所に分散して隠すようたのんだことがわかった」と、バフチェリ党首は同党の会合で言いました。
「この会話が本当なら、付け加えることはない。首相の立場にある人物の信頼性、人間性、モラルを語ることは不可能だ」

何百人も盗聴されていた
エルドアン首相は“トルコ史上最大の電話盗聴スキャンダル”として、2月24日の2紙に発表された電話盗聴のレポートについて語りました。
新聞のレポートによると、首相や、彼の身近の関係者、国家情報局局長、また多くのジャーナリストや学者、ビジネス・リーダーたちの何百人もが、ギュレンの同調者である検事たちによって盗聴されていたというのです。

「非常に興味深いことだ。彼らは国家の秘密の電話も盗聴していた。大統領が盗聴されることなく首相と電話で話すこともできなかったのだ」と首相は言い、大量電話盗聴について行動を起こすよう司法に求めました。
「われわれはこのような盗聴活動に対して、法的行動をとる。これをつづけさせたら、家族も国家もプライバシーを失ってしまう」

ムアムメル・ギュレル前内相とザフェル・チャーラヤン前経済相の息子たちは、汚職捜査の重要な容疑者と思われるイラン生まれのアゼルバイジャン人ビジネスマン、レザ・ザルラブと同様、手入れ以来、拘束されています。ビラル・エルドアンも最近、汚職捜査の一環として証言しました。
政府はこの捜査を仕組んだとして、くり返しギュレンを告発し、ギュレンに同調する公務員を大量に粛清しました。

・・・いくらエルドアンだって、汚職捜査があると聞いて、あわてて息子に電話して、「盗んだ金を隠せ」と指令するなんて、そんな単純なマンガチックなことするとは思えないけど。
電話盗聴については、イスタンブールの検事長も「どんな理由があっても認められることではない」と言っているようで、盗聴騒ぎまだつづきそう。


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