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科学監視班がリークされた電話記録を厳密調査中

2014年02月28日 | 国内
2月28日 収賄の証拠とされるエルドアン首相と息子の電話会話記録と言われるものが暴露されて、国の科学監視班の信頼性に疑問が起こっています。科学監視班は政府の上級官僚に秘密の電話を提供した責任者です。
「これは非常に興味深い。彼らは“トルコ科学技術研究委員会”(TUBITAK)の国家秘密の電話まで盗聴している。大統領が首相と電話で話しても盗聴されていた。スキャンダルがインターネットと情報媒体を政府が管理するという最近の法案を正当化してくれた」とエルドアン首相は、25日、発言しました。

 Hurriyet
TUBITAKがつくった暗号化された書類に取り組む大学生たち


監視班の検査が始まりましたが、その結果次第で、国の監査団体が介入するかもしれません。
フィクリ・ウシュク科学・産業・技術相の指令で、専門家チームによる研究所の検査が始まっています。検査は遠距離通信局(TIB)と通信技術研究所(BTK)に及んでいます。

2011年12月下旬、エルドアン首相のオフィスで盗聴器が発見された後、TUBITAKに所属する「情報科学と安全の高等技術研究センター」(BILGEM)は2012年、暗号化された電話を開発しました。

この電話は国家情報機構(MIT)がテストした後、盗聴はできないというレポートとともに、国家・政府の上級官僚に配布されました。しかし、電話を暗号化したコードがリークされ、盗聴は容易なったということです。
「暗号化された電話は、信号を暗号化するために、さまざまな演算法を使いますから、盗聴は不可能です。しかし、コードがリークされれば、盗聴は可能です」と担当官は言っています。

エルドアン首相がTUBITAKの責任に注目したのはこのためと思われます。TUBITAKで働いていた5人が、捜査の初めに浮かびました。
「あらゆる観点から検査は行われています。捜査の終わりに、TUBITAKの上級レベルで、なにか浮かび上がるかも」と科学・産業・技術省のある役人は言いました。

5人はすで研究所に入ることを禁じられています。
捜査の結果によって、大統領府に所属する国家監査委員会(DDK)と首相府検査委員会が、この事件に介入するでしょう。

2月24日、YouTube で11分間のリークされた電話記録が流されましたが、翌25日、エルドアンはスピーチで言いました。「われわれは盗聴のような行為に対して法的行動に出ます。これをつづけさせたら、家族も国家もプライバシーがなくなってしまう」
ビデオは48時間に400万回見られました。

2月24日、政府寄りの新聞2紙が盗聴に関するレポートを掲載し、エルドアン首相は“トルコ史における最大の盗聴スキャンダル”と言いました。
レポートによると、首相、首相に近い関係者、MITの責任者から多くのジャーナリスト、学者、ビジネス・リーダーまで何百人の人々が、ギュレンの同調者である検事たちに盗聴されていたそうです。

・・・問題の電話記録が偽物か本物か、科学的に判定することはできるはずと思いますが。


「ギュレンの学習塾なんか止めちゃえ」と選挙演説でエルドアン首相

エルドアン首相を有罪にしようとする電話会話のリーク後、首相は、前代未聞の汚職告発に対する仕返しに、検事と警察を外国のためにスパイしていると告発しました。

「わが国の機密情報が、外国のために働いているスパイたちによって盗聴され、公開された。だが、この国の検事も裁判官も、これに無関心だ」とエルドアン首相は昨日、南部のブルドゥル県での選挙活動中にスピーチしました。

 Hurriyet

「警官が私のオフィスに送られてきて、最も私的な場所に盗聴器を仕掛け、私を盗聴した」とエルドアン首相は言いました。
首相はまた、少なくとも2280人の政治家、公務員、学者、ジャーナリスト、ビジネス・リーダー、アーティストたちが、検事に盗聴されていたという今週のレポートに触れました。

「私はその検事にオープンに尋ねたい。あなたはどこの国のために盗聴したのか? これに関与している警察にも尋ねたい」とエルドアン首相。
首相は、アメリカに住むイスラム学者フェトフラー・ギュレンの運動を、政府をターゲットにした大規模な汚職捜査を仕組んだとして告発しました。しかし、通常、首相は“国家のような組織”という間接的表現を使っています。

昨12月17日に行われた警察の手入れの際の、首相と息子の電話会話のリーク後、首相は前代未聞の汚職告発に直面し、今秋、この騒動はさらに大きくなりました。
エルドアン首相はテープをでっちあげと呼び、これをつくったとしてギュレン運動を非難し、野党は首相に辞任を迫りました。

選挙スピーチ中、首相は、最近リークされたテープについて、共和人民党(CHP)とギュレン運動が協力していると告発しました。
「なにも悪いことをしていないなら、ペンシルバニヤにいることはない。自分の国がトルコなら帰ってきなさい。政治がしたいなら、街に出なさい。だが、この国をかきまわすな。わが国の平和をぶちこわすな・・・・」

ギュレンの学校なんか止めなさい
エルドアン首相はギュレン運動の学校のボイコットを求めました。
「ギュレン運動の学習塾や学校はやめてしまいなさい。私たちには公立学校でじゅうぶんだと言ってやりなさい」と、エルドアン首相は言いました。
「公立学校でじゅうぶんでしょう。親御さんが週末も子供たちにもっと勉強させたいと言うなら、私たちが無料の塾をつくりますよ」

・・・カスムパシャの暴れん坊、エルちゃん、がんばっています。


それでもトルコはシリア国境へ人道支援をつづけている

隣国の紛争に苦しむ人々にとっては、トルコの人道支援は必要不可欠なものなのです」と赤新月社のリュトフィ・アカルさんは言っています。赤新月社はイスラム諸国の赤十字です。
「国を追われた人々は支援なしには餓死するかもしれないのです」とアカルさんは言っています。「トルコ新月社は、ミルク、パン、ベビー用食物、を毎日供給しています」
   
 Sabah

「もちろんテュルクメンだけではなく、アラブ人、クルド人、シーア派、アラウィー派、スンニー派、クリスチャンも差別なく、トルコ赤新月社の支援を受けています。
シリアには食産物がないのです。砂糖、小麦、大麦などの基本的なものもない。
シリア国境の人道支援の対象は650万人に達しています。支援は戦争がつづく限りつづけなければなりません。」

トルコの赤新月社やさまざまな組織から送られた支援物資はシリア国境に運ばれ、そこでボランティアが支援を必要とする人々に配ります。
支援物資の運搬は安全のために、国家情報機構(MIT)の監督下で行われています。


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