土曜日はカフェ・チボリで(内山純/創元推理文庫)
営業は土曜日だけ、店主は男子高校生という、カフェ・チボリを舞台とする安楽椅子探偵の物語。
語り手の「私」は、30歳も間近なのに交際相手のいない女性編集者。謎解き役の高校生は、進学校の超エリートで、資産家一族の一員。いかにも、な設定ではある。
また、ミステリファンからは、コージーミステリにしては謎解きが煩雑、とか、生半可な恋愛要素はいらない、とかいう辛口評価を受けるかもしれない。
しかし、私は楽ませてもらった。短編の連作推理を読むのは久しぶりだし、一風変わったカフェが成り立っている理由が次第に明らかになる展開や、チボリ公園、家具、陶器などデンマーク関連の知識、そして、アンデルセン童話にちなんだ謎が登場人物たちの会話を通じて解き明かされる様子を、ただゆったりと読み進めた。軽い読み物ではあるが、意外な読みごたえもあった。
あとがきを読むと、作者のデンマークとアンデルセン童話への強い想いが感じられ、それがこの作品を成立させているのだと納得できた。
で、この本を手に取ったのは、拝見しているブログで紹介されていたから。本屋や図書館で見かけただけでは素通りしたかも。
なお、続編は期待していない。アンデルセン童話にちなんだ謎、というしばりだと、ネタ探しが難しそうだ。
画像は「イラストAC」から
営業は土曜日だけ、店主は男子高校生という、カフェ・チボリを舞台とする安楽椅子探偵の物語。
語り手の「私」は、30歳も間近なのに交際相手のいない女性編集者。謎解き役の高校生は、進学校の超エリートで、資産家一族の一員。いかにも、な設定ではある。
また、ミステリファンからは、コージーミステリにしては謎解きが煩雑、とか、生半可な恋愛要素はいらない、とかいう辛口評価を受けるかもしれない。
しかし、私は楽ませてもらった。短編の連作推理を読むのは久しぶりだし、一風変わったカフェが成り立っている理由が次第に明らかになる展開や、チボリ公園、家具、陶器などデンマーク関連の知識、そして、アンデルセン童話にちなんだ謎が登場人物たちの会話を通じて解き明かされる様子を、ただゆったりと読み進めた。軽い読み物ではあるが、意外な読みごたえもあった。
あとがきを読むと、作者のデンマークとアンデルセン童話への強い想いが感じられ、それがこの作品を成立させているのだと納得できた。
で、この本を手に取ったのは、拝見しているブログで紹介されていたから。本屋や図書館で見かけただけでは素通りしたかも。
なお、続編は期待していない。アンデルセン童話にちなんだ謎、というしばりだと、ネタ探しが難しそうだ。
画像は「イラストAC」から