宇宙と物質の起源
(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所編/BLUE BACKS)
素粒子の標準理論と現時点での標準的な宇宙論に基づき、宇宙のなりたちについて解説した本。
この分野の本は何度か取り上げているが、改めて紹介しようと思ったのは、KEKの研究者たちが執筆しているから。(KEKは、クォークの「CP対称性の破れ」を確認する実験を行い、小林・益川理論を実証したことで有名。)
理論物理学では、ブレーンワールドや多元宇宙など、実験では確認できそうにない理論が提唱されているが、実験物理学者たちは物理学の現状をどのようにみているのだろうか。
本書を読むと、LHCはヒッグス粒子を発見した後も、ヒッグス粒子が1種類だけなのか、どのような性質を持つのかについて研究し、KEKでもニュートリノの「CP対称性の破れ」を調べる研究を続けるなど、標準理論を精緻にし、あるいは大統一理論につながる実験が行われていることが分かる。
また、ビッグバン、インフレーション、ダークマターとダークエネルギーによる宇宙の大規模構造は、宇宙論の成果として認知されているものの、たとえばインフレーションを実証する実験や観測は、まだこれからのようだ。
感想を少し。
質量の起源はヒッグス機構によるものだけでなく、クォークにはそれ自体のエネルギーに基づく質量がある、と別の本で読んだことがあるが、その説明は本書のほうが分かりやすかった。
手詰まり感のある実験物理学を前進させるために、次世代加速器としてILC(国際リニアコライダー:日本に建設される可能性がある。)が構想されているが、具体的な進展がない状況が続いている。(国を偉大にするのは、移民の排斥や、他国への侵略・威嚇ではなく、科学への貢献であってほしいと思う。)
いつも拙い料理ブログをご覧いただき、本当にありがとうございます。
2023年に猫ちゃんが旅立ちされたことを知らずにいました。一時、可愛い写真に癒やされていて、途中からお姿が見られなくなり、どうしているかな、と思っていました。
家のさくらは狆ですが、猫のような性格でしたので、お空でさくらとお友達になってくれていたら嬉しいです。
いつもありがとうございます。
昨年12月29日に旅立ちました。20歳と4か月でした。こたつの中で眠るように。
今後も記事を楽しみにしています。
安らかな最期であり安心いたしました。
お返事いただきまして、こちらこそありがとうございました。