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読みました

本を読むのが好きです。
忘れないように感想等を書いています。
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雨の日の読書

2012-03-10 23:14:19 | 読書
                      

 雨のせいで読書が進みました。こちら→3月4日
の感想から先にお読みください。


 「9月が永遠に続けば」 沼田まほかる著

離婚した主人公、水沢佐知子の別れた夫、雄一郎は
精神科医で、8年前に患者の亜沙実と結婚した。

亜沙実は別の人との間に娘、冬子を生んでいて入籍
後に引き取ったと知らされた。冬子が自動車学校の

教官、犀田と付きあっていると雄一郎から聞かされ
ていた。過去に免許を失効していた佐知子は、ある

日教習所で犀田に教習を受け、ジムで再会して付き
合い出だした。一人息子の文彦の失踪後、犀田も駅の

ホームから落ちて亡くなる。佐知子は悲しむ間も
なく、文彦の捜索に没頭する。文彦の女友達、ナズ

ナとその父、服部正雄(嫌悪している)に支えられて。
文彦の友人に聞きまわるうちに、悩みがあった事が

わかり、どうやら冬子とも関係がある事がわかる。
やがて亜沙実の忌まわしい過去が明るみになり

あちこちを探し続ける佐知子が辿り着く場所は…?
犀田の死の真相は?文彦はどうなった…?

 
 日常生活から突然消えた息子を探す母。地味な
話の中に登場人物が複雑に絡み合う。濃密な描写

で書きながら、細部は読者の想像力を誘う巧みさ。
読む者を惹き付けるストーリーの緻密さと、新人

とは思えない文章力に、最後までドキドキハラハラ
させられました。選考委員達絶賛の1冊です。