「テロリストのパラソル」
藤原伊織 著
四十を過ぎたバーテンでアルコール中毒?の島村は新宿の公園で
朝酒を飲むのが日課だったが、ある日曜日に爆破が起き事件に巻き込まれる。
過去にも理由があって社会から隠れるように暮らしていたが、
再び警察に追われることになる。
事件の犠牲者の中に懐かしい名前をみつけて店に戻ると、
その娘だという塔子が来て彼女のアパートに逃げ込む。
ホームレスとの係わり合いから、元警官でヤクザの浅井と知り合う
うちに少しづつ事件の背景が見えてくる。
塔子や浅井に助けられながら、さらに事件の真相を調べる島村だが、
やがて中心人物と思しき人物に会いに行くと、予想通りの顔が
島村を迎えた・・・
登場人物の書き分けが巧みで、ストーリーの展開もよく練られていました。
面白くてぐいぐいと引き込まれます。時間があれば一~二日で読めそう。
解説にもありますが、主人公が中年のアル中だという意外性。
題名は仲間の作った俳句にちなんでいるようです。
江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞しています。