規定概念、固定観念、はたまたステレオタイプ。
なにか良く分らないけど、思い込みはヨロシクない。
ほとんどの人は、年寄りってのはアッサリしたものを食べたがる。
肉より魚が好きだ。
なんて思ってない?
Mは思ってた。
てか、自分がトシをとってくると、
油っこいものよりも、アッサリしたものを欲してくるので、
M以上の年の人はとくにそうではないか……なんてね。
Mは81歳の母と暮らして、初めて知った。
肉が大好きってことを。
当初は肉など食べないかもと思って、別メニューにしていたけど、
そのうち面倒になってM達と同じメニューにして、
母の器だけ肉を少なめにしてみると、肉だけ先にペロっと食べてなくなってる。
そこで、何度か試しに母にも肉MENUを出してみたところ、
残すことは全くなかった。
逆に魚の煮つけなどは箸の進みが遅い。
母だけかと思ったら、そうでもないらしい。
夏に母の姉を訪ねて老人ホームに行った時、
入所していた90歳を過ぎたお婆ちゃんが、
「焼き肉食べたいなぁ~」と言ってた。
で、
これはMの母に限ってなのかもしれないけど、
めっちゃジャンクフードにハマってる。
というか、つい最近まで食べたことのない人だった。
とにかく母は神経質な人で、Mの子どもの頃から、
冷凍食品やお総菜は絶対買わなかった。
味付けも減塩云々と言って、ものすごぉ~~く薄味。
スナック菓子なんかも、油が良くないとか言って、
ものすごく軽蔑して買ってくれなかった。
その母が、今になってその軽蔑していたジャンクフードにハマってる。
姉の子ども達、(母にとっては孫達)が好んで食べていたらしく、
美味しそうに食べているのを見ているうちに食べたくなったようで……。
万人が好む味だもの、母にとっても不味いわけがない。
そういう濃い味を覚えてしまうと、もう薄味には戻れないのかもしれない。
デイサービスの昼食などは、美味しくないと言い出す始末。
沢山の小鉢に少量ずつ入っていて、豪華に見えるけど、
どれを食べても代わり映えのしない味だと言う。
年寄り向けの食事だものね。
アチコチ故障した人達が多いから、脂肪分や塩分をカットしたものが主流。
油っけがなく、そっけない味が多いわけで……。
美味しくないものを食べて長生きして、何がある?
今の時代、気兼ねなく美味しいものが食べられる。
母の年になると、食べることだけが唯一の楽しみと言っても過言ではないし。
母には、食べたいものを食べたいだけ、食べてもらっている。
美味しいと思いながら食べられるうちが花。
油や塩分なんか気にしないで、食べられるなら食べてもらいたい。
というわけで、
アナタの家のお爺ちゃん、お婆ちゃんも、
塩分少なめに、お肉よりもお魚!
なんていう献立では、美味しいと思って食べていないかも。
耳が遠くなり、目が見えなくなるってことは、
味覚だって弱ってるってことだから、少しくらい味があったほうがいいんじゃないかなぁ。
年寄りは肉よりも魚が好きっていうのは、思いこみだと思う。
そのあたり、身近なお年寄りに聞くのが一番かもね。
肉好き、肉食が多かったりして。
そしてイマドキの若者は草食系。