まだMが10代だったころ、
いつの間にか仲良くなった友達が3人いた。
今では、ひとりはヨコハマへ嫁に行き、
ひとりは隣の町に住んでいて、
もうひとりは30代のときに亡くなった。
で、
その隣の街に住んでいる友達Hちゃんは昔、
どちらかといえばおとなしいコだった。
結婚して3人の子供を育て、長女と長男は結婚し、
二男はまだ学生。
2月に長男のところに子どもが生まれたので、
彼女もおばあちゃんになった。
で、
Mとダーは、亡くなった友達のお墓参りに行く予定をしていたので、
Hちゃんに連絡を入れた。
何度かここで同じことをウダってるけど、
Hちゃんのダンナと、Mのダーは高校時代からの悪友。
亡くなった友人は、Mのダーと会社が同じだったので、
自然とMとダーは友達になり、Hちゃんもダーの悪友と友達になり、
後に結婚しちゃったんで、亡くなった友人はキューピットだった。
まだ亡くなった友人が元気だった頃、もちろんMダーも独身だった頃、
Mは、ダーと結婚しないのかと聞いたことがある。
すると彼女は
「ダーくんと結婚しても、グッピーちゃんみたいに捨てられるの嫌だもん」と言った。
なんのこっちゃ? と、よくよく話を聞くと、
グッピーを飼っていたのに、要らなくなったから誰かもらってくれないかって言ってた。
飽きたらすぐ捨てられるんだよきっと……とのこと。
数年後、ダーに聞いたところ、
いや~、参ったなぁ。
あのころは出張が多くてグッピーの世話ができなくて、
冬だったし、ものすごく困ってたんだってば~……と、
言い訳してた。←悪意?
彼女がダーを友達以上に思わなかった本当の理由はそんなことじゃない。
Mは知ってるのよん。
彼女はものすごぉぉ~~く、面食いだったの。
ぷ!
冷たくても容姿端麗で背の高い男が好きだったの。
ただやさしいだけのダーくんはNGだったみたい……。
なんとも、フクザツでアリマス。
亡くなった友人との思い出は沢山あるけど、
新しい思い出が増えることはもうない。
昔おとなしかったHちゃんは、今ではすっかり貫禄がついて、
さり気なくヨメちゃんの粗さがしをしているようで、
ヨメがどうのこうのと言い始めた。
すっかりお姑さんになってる。
Hちゃん、コワいよぅ……。
そんなこんなで、毎年恒例のお墓参り。
Hちゃんの息子夫婦は引越しで忙しいらしく、
Hちゃんは、今日からマゴちゃんを預かってるとかで、
明日はマゴちゃんも一緒にお墓参りに行くようだ。
「孫ってかわいいよね~! もう、自分の子どもとぜんっぜん違う!」
と、力説していたHちゃん。
はいはい、わかりましたよ、おばあちゃん。
ただ、マゴちゃんの前で母親であるヨメちゃんの悪口だけは言わないで。
と、願うMデあった……。
そうして、生きていればこんな些細なことも
思い出になっていくのね……。