“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

原発の二つの未完成点②

2011年10月04日 08時51分12秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。本日は原発の未完成点の根本的な話です。

 昨日は、原発は産業廃棄物処理が出来ない産業で、未来永劫、危険な放射性物質を排出し続けながらその処理方法が確立されていないことを書きました。

 原子力発電の最も未完成な技術は、原子炉そのものが不安定で放射性物質モレを防ぐ技術を持っていないという根本的な欠陥です。欠陥というと原発産業の方々は反発するかもしれませんが、現在の原発の主流になっている「軽水炉」型は何らかのきっかけで冷却水が循環しなくなったら暴走して手が付けられなくなると言うことです。このことは現実に福島第一原発事故で国民の目で見たことです。

 原子炉は、天然のウランから濃縮したウラン235を核分裂させて発生した大量の熱でタービン(風車のようなもの)を回して電力を作るものです。原子炉の運転を止める時には、制御棒を押し込んでウラン235の核反応を止めますが、その状態でもウラン235から生まれた核分裂の生成物はとてつもない熱を出し続けています。この熱をさますのに、大量の水を循環させています。今回の事故でも、水がたくさん報道されました。しかし7ヶ月経過しようとしている現在でも全く収束していません。

 原子炉が通常の状態であれば、核燃料とその生成物をコントロールできていますが、なんらかの条件が悪くなり水が供給できなくなれば膨大な熱が出続け核の暴走が始まります。

福島第一原発では、電力会社のくせにすべての電源が喪失し原子炉への水の供給が出来なくなり熱が出続け核燃料が暴走し、水素爆発などを起こしとんでもないことになりました。国や東京電力は、東日本大震災の津波のせいにしていますが、津波のせいにしようが何しようが「想定外」でも何でもなく、もともと欠陥なのです。津波でなく、地震で複雑な水を送るパイプが壊れたとの指摘がされていますが、地震で壊れたとなれば「想定内」になるので何としても津波のせいにする必要があったのです。

原子炉への水の供給が止まってしまったら膨大な熱が出っぱなしになり、核燃料に熱がたまり、高温になり、核燃料が壊れる、核燃料が崩れる、核燃料が溶け落ちる、ひどい場合には溶け落ちた核燃料が原子炉の外に溶け落ちる、このような恐ろしい事が起きるわけです。そして今回の事故のように、爆発が起き放射性物質を撒き散らすと言う最悪の事態が起きるのです。

水が止まらないようにできれば良いのですが、複数の電源を無くなった福島第一原発では現実に水が止まりました。アメリカのスリーマイル島では、操作ミスで水が止まって大事故となりました。軽水炉の最大の欠陥は、構造上の本質的な欠陥で、水をコントロールする100%の技術をもっていないところです。次から気をつけようとか、努力しようなどではすまされない欠陥です。

この根本的な「水をコントロールできない軽水炉の構造」、そして昨日書いた「核燃料の廃棄物を処理できない」大きな二つの未完成技術=欠陥。原子力発電は、現在の人類では持ってはいけない施設なのです。コントロールできないものを持つと、人類は破滅の方向に向かうしかありません。

自然エネルギーと原発問題

2011年10月04日 06時00分00秒 | 臼蔵の呟き
原発にたよるエネルギー政策を変更すべきと思います。

(1)エネルギー政策の変更
再生可能エネルギーの開発、エネルギー比率を飛躍的に高める政策、投資を急激に進めるべきとにきていると思います。また、原子力発電所の廃止を政治決定を行うこと。そのための年次決定を作ること。再生可能エネルギー開発に国家予算をあてる、確保すべきと思います。

(2)節電を進める。
産業、個人家庭も含めて節電対策を継続、強化すべきと思います。現在は20%くらいの原発稼働率しかありませんが、十分電力は足りています。その電力量で大規模停電を起こさないためには過渡的措置として節電の取り組みは意義があると思います。オール電化住宅宣伝にはのらないようにお願いします。震災のときにオール電化住宅は非常に苦労しました。食事、風呂、トイレなど全て電気使用がされている家庭は生活が出来ない問題にぶつかりました。

(3)再生可能エネルギーと自治体
秋田県の再生可能エネルギー潜在力量は年間1000億円といわれています。風力、小水力等です。現在、東北電力(宮城県本社)に支払う電気料金1000億円が秋田県に貯金される関係です。約100万人人口として1人あたり10万円の収入に当たります。世帯で見れば1家庭2人として20万円の年間収入に当たります。その収入、財源を再生可能エネルギー開発、投資にあてる補助をして急速に進めることで、地域おこし、地域産業の活性化が出来ます。早ければ、早いほど地域にとってはプラスとなる取り組みだと思います。また、再生可能エネルギーは時間がかかる、大手企業が参入しづらい分野でもあり、行政、自治体の支援は重要だと思います。