おはようございます。仙台は気持ちの良い晴れです。気温が高く、温かな一日となりそうです。木々も紅葉を始めています。
岩波書店11月号「世界」に「日本はなぜ「内向き」であってはならないか」という論文が掲載されています。川端清隆氏(国連本部政務官安保理担当)の論文です。
エジプト、チェニジア、リビアの中東諸国政権交代は歴史の転換であること。南スーダンの独立などと世界の政治経済は大きく変動している。この世界の変化に日本(?)は無関心ではないか。との主張が展開されています。
その理由は、日本人の冷静さの背後にあるのは、日本社会は安定しており、「その中に居りさえすれば一定の安全と充足を充足できる」という思い込みではないか。この一念を支えているのは、日本は外界から守られており「無理をして世界と関わらずとも生きて行ける」という、戦後社会に根付いた漠然とした安心感かもしれない。――日本は「傍観者」としての振る舞いはもはや通用しない。いま日本が問われているのは、中東などの民主化や人権に対する理念と、その理念を実行するための手段の選択であろう。我々は平和に対する自らの考え方を明らかにした上で、国連の平和活動(PKO)への参加など具体的な行動を通じて、国民主導の民主化(中東、アフリカなど)を側面から支援すべきである。
この主張の民主化支援、国際問題への関心を持つことは大切ですし、日本が貢献できることはすべきと思います。しかし、この論文で触れている「平和ボケ」「東日本震災で内向き傾向」との指摘には違和感があります。
世界はギリシャ国債の返済不能、債務カット(一部カットは開始されている)、EU諸国の国債返済が危機的な状況が表面化しています。スペイン、イタリア、フランス大手銀行の金融不安が表面化しています。この金融危機は世界の金融危機を誘発し、円高ユーロ安を引き起こしています。この責任は日本にあるわけではなく、アメリカを中心とした新自由主義経済の信奉者による政治経済担当者による失政の結果です。したがって、その解決方法は、新自由主義による政治経済運営の全面的な総括と政策転換が解決策と思います。日本国民の感情とは関係はありません。
また、中東の政権交代は、アメリカ、イギリス、フランスなどの植民地政策、イスラエル擁護と原油利権確保の中でアメリカ、イギリス、フランスなどの都合の良い過去政権擁護を行ってきた結果です。ムバラク政権などはエジプト市民の強権的支配、独裁支配、抑圧を行っていることは明々白々でした。そのことを主要国が承認と黙認してきた結果、民主化、政権交代が起きただけです。その変化を承認し、支援する事は大切です。しかし、そのことを日本国民が無視していると指摘し、攻撃する事はお門違いです。
日本が震災で内向きとの指摘は、被災地から見れば「受け入れること」が出来ない指摘です。そもそも震災被害の大きさは巨大災害であり、その復旧・復興に集中する事は当たり前(しかも有効に対応が出来ていない)です。また、フクシマ原発事故で放射能汚染、被害の拡大は世界的に見ても対応が必要な巨大事故です。民主党政権が世界の政治経済に有効に対応できないことと、被災地支援感情とを同列に置いた批判は筋違いといわなければならないと思います。
岩波書店11月号「世界」に「日本はなぜ「内向き」であってはならないか」という論文が掲載されています。川端清隆氏(国連本部政務官安保理担当)の論文です。
エジプト、チェニジア、リビアの中東諸国政権交代は歴史の転換であること。南スーダンの独立などと世界の政治経済は大きく変動している。この世界の変化に日本(?)は無関心ではないか。との主張が展開されています。
その理由は、日本人の冷静さの背後にあるのは、日本社会は安定しており、「その中に居りさえすれば一定の安全と充足を充足できる」という思い込みではないか。この一念を支えているのは、日本は外界から守られており「無理をして世界と関わらずとも生きて行ける」という、戦後社会に根付いた漠然とした安心感かもしれない。――日本は「傍観者」としての振る舞いはもはや通用しない。いま日本が問われているのは、中東などの民主化や人権に対する理念と、その理念を実行するための手段の選択であろう。我々は平和に対する自らの考え方を明らかにした上で、国連の平和活動(PKO)への参加など具体的な行動を通じて、国民主導の民主化(中東、アフリカなど)を側面から支援すべきである。
この主張の民主化支援、国際問題への関心を持つことは大切ですし、日本が貢献できることはすべきと思います。しかし、この論文で触れている「平和ボケ」「東日本震災で内向き傾向」との指摘には違和感があります。
世界はギリシャ国債の返済不能、債務カット(一部カットは開始されている)、EU諸国の国債返済が危機的な状況が表面化しています。スペイン、イタリア、フランス大手銀行の金融不安が表面化しています。この金融危機は世界の金融危機を誘発し、円高ユーロ安を引き起こしています。この責任は日本にあるわけではなく、アメリカを中心とした新自由主義経済の信奉者による政治経済担当者による失政の結果です。したがって、その解決方法は、新自由主義による政治経済運営の全面的な総括と政策転換が解決策と思います。日本国民の感情とは関係はありません。
また、中東の政権交代は、アメリカ、イギリス、フランスなどの植民地政策、イスラエル擁護と原油利権確保の中でアメリカ、イギリス、フランスなどの都合の良い過去政権擁護を行ってきた結果です。ムバラク政権などはエジプト市民の強権的支配、独裁支配、抑圧を行っていることは明々白々でした。そのことを主要国が承認と黙認してきた結果、民主化、政権交代が起きただけです。その変化を承認し、支援する事は大切です。しかし、そのことを日本国民が無視していると指摘し、攻撃する事はお門違いです。
日本が震災で内向きとの指摘は、被災地から見れば「受け入れること」が出来ない指摘です。そもそも震災被害の大きさは巨大災害であり、その復旧・復興に集中する事は当たり前(しかも有効に対応が出来ていない)です。また、フクシマ原発事故で放射能汚染、被害の拡大は世界的に見ても対応が必要な巨大事故です。民主党政権が世界の政治経済に有効に対応できないことと、被災地支援感情とを同列に置いた批判は筋違いといわなければならないと思います。