“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

東京電力原子力発電所 福島第一1~4号機廃炉

2011年10月28日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
福島第一原発の廃炉に最低でも30年がかかるとの報告書です。2041年までかかるということです。電気が足りない、原子力発電所を稼動させよとの電力会社、経団連、保安院、佐賀県、北海道、青森県知事などの言明、動きがありますが。本当にこのような汚染、災害をどう考え、収拾するつもりなのでしょうか。きちんと応える責任があります。また、政府は国策としてすすめた責任、東京電力、電力業界はその賠償責任を最後まで実行する事が必要です。事故の付けを国民、地域住民に回すことは許せないことです。
明日は、福島市で全国規模の大集会が開催されます。


<下記は報道記事です>
 東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉措置について、内閣府原子力委員会がまとめた報告書案が26日、分かった。使用済み核燃料プール内の燃料は2015年以降、原子炉内の溶融燃料は22年以降、取り出し作業を始め、廃炉終了には「30年以上を要する」との長期見通しを初めて盛り込んだ。報告書案は、28日に開かれる原子力委の中長期措置検討専門部会で了承される見通し。
 第1原発では、炉心溶融した1~3号機の原子炉内に計1496本、1~4号機の使用済み核燃料プール内には3108本の燃料集合体が残っている。廃炉実現のためにはこれらを回収し、長期間にわたって安定的に冷却・保管する必要がある。
 報告書案によると、廃炉措置は原子炉の「冷温停止状態」を年内に達成したうえで、早ければ来年からスタートする。原子炉内の溶融燃料回収のため、原子炉建屋内をロボットなどで除染したうえで、格納容器の損傷部分を修復。さらに、放射線を遮蔽(しゃへい)するために格納容器全体を水で満たす「冠水(水棺)」作業を実施し、22年以降から燃料回収を始める。
 一方、プール内の燃料は比較的損傷が少ないが、2号機を除いて水素爆発で原子炉建屋が大きく壊れ、取り出すための既設のクレーンが使用できない。このため、新たにクレーンを設置し、4号機近くにある一時貯蔵施設「共用プール」を整備したうえで、2015年以降の回収を目指している。
 報告書案では、すべての燃料回収までに約20年かかった米国のスリーマイル島原発事故(79年)の経緯を踏まえたうえで、「廃炉措置が終了するまでには少なくとも30年以上の期間を要する」と推定。早期の廃炉実現のためには、(1)海外専門家の助言を積極的に得る(2)計画が不調な場合は臨機応変に対応する(3)実際の現場作業に必要な研究や開発を優先する(4)国内の技術者の育成につなげる--の四つの基本方針を示した。福島原発では4基の廃炉措置を同時並列で進める必要があり、スリーマイル事故や旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)と比較しても、きわめて困難な作業となることが予想される。このため、報告書案は「官民挙げたオールジャパン体制で進める必要がある」と強調。そのうえで、来春に発足する「原子力安全庁」とともに、廃炉の進捗(しんちょく)状況をチェックする第三者機関の設置の必要性も初めて盛り込んだ。

震災復旧と宮城県議選

2011年10月28日 11時24分16秒 | 臼蔵の呟き
宮城県議会選挙が始まります。宮城県、岩手県、福島県の震災被害、復旧が進んでいます。その中でも被災地の広さ、深刻さ、被災者数の多さなどで宮城県は群を抜いています。福島県は放射能汚染で困難さが震災+放射能問題で特別です。
震災に限定して言えば、宮城県の対策、進捗は非常に遅く、悪いと思います。県の方針も被災者である漁民が反対する「特区構想」などを提唱したことも復旧、復興に影響を与えています。仙台市は「パンダの借り入れ」を中国に打診するなどーー何を考えているんだと思うような有様です。このまま、冬に入れば仮設住宅、被災者の健康問題も大きな問題となります。地場産業の復旧も遅々として進まず、今後の展望が見える、光が見える状況まで行政が政策決定、資金問題での政策決定が必要です。
その意味では、県議選はその良い機会であり、多くの県民が選挙に参加し、意思表示をして欲しいと思います。このような災害に自治体、議員、県がしっかり役割を自覚し、発揮するためにもです。


<河北新聞の報道です。>
宮城県議選、89人が立候補予定 告示まで1週間
 東日本大震災で延期された宮城県議選(11月4日告示、11月13日投票)は告示まで1週間となった。27日現在の集計では、定数59に対し89人が立候補を予定し、前回(2007年)の86人を上回る見通しだ。前哨戦は県土の復興策のほか、民主党政権の震災対応をめぐる論戦となっており、政党対決の様相が強まっている。

 立候補予定者のうち、現職は55人で前回と同数。元議員は4人増の5人、新人は1人減の29人。党派別では民主党が13人、自民党が33人、公明党4人、共産党は7人、社民党は3人を立てている。初参戦のみんなの党は6人。無所属は23人です。
 争点には、村井嘉浩宮城県知事の震災対応や被災地の復興策が浮上している。政党の勢力動向も焦点で、自民党は引き続き過半数維持を狙い、民主党は守勢を強いられている。環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加をめぐる議論も影響を与える可能性がある。
 県議選は4月の統一地方選で行われる予定だった。統一選で同日選だった仙台市議選は8月に終了。単独選挙となったことで投票率の低下が懸念されている。

除染の話

2011年10月28日 11時04分34秒 | 臼蔵の呟き
お早うございます。
仙台は快晴、気温は徐々に上がってきました。少し朝方は寒くなっています。ふくしまの除染の話です。私は07年までふくしまに住んでいましたので友人がいます。友人は除染作業に関与しています。

福島市、伊達市で地域全体の除染作業が開始され始めています。同じ自治体ですが、それぞれの自治体で除染のやり方が異なり、いろいろな問題が出ているようです。自分も除染の必要性を4月初めに関係する人から言われていたので、この除染に関してはある程度知識があります。福島大学での除染シンポジュウムにも参加しました。
それらの知識からいっても高圧洗浄での水での除染は注意が必要です。除染は汚染物質であるセシウムをある場所から、別の場所に移し変える作業であり、やり方によっては自分は助かるが、そのことで他者は線量がもっと高くなる作業でもあります。
その意味でルール、汚染物の保管場所、保管方法、除染の方法がきちんと決められなければならないと思います。専門家の知識が必要です。

これらがなくて焦燥感で闇雲におこなうと被害が拡散する可能性、処理方法が更に難しくなる可能性もあります。

果実が汚染されるしくみ

2011年10月28日 06時10分06秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、放射性物質の作物への移行についての話です。

 放射性物質で大量に土壌にあるのは、放射性のセシウム134と137です。このふたつのセシウムは土壌の場合、表面から10cm位までの所にほどんどが集中しています。果樹では根は深く入っていますので根から吸収されて果実にゆくことはほとんど無いと言われています。果樹の樹皮に付いた放射性セシウムが、樹の中に一部が入り、果実に移動しているとみられることを福島県農業総合センター果樹研究所の佐藤守専門研究員が発表しています。

 放射性セシウムは、雨で樹皮から葉に流れて葉の中に入り、そこから果実に入るルートが考えられると言うのです。この方法では、果実に移行する放射性セシウムの量は少なく、果実の肥大によって濃度は薄められるのでごく微量のみが残ります。りんごの品種「ふじ」では、果実1個中の放射性セシウムの量は5月に2.3ベクレルだったのが、9月には8.6ベクレルに増えています。この間に果実は10gから300gに増えたため、濃度は5月の1キロ当り183ベクレルから9月には33ベクレルに下がり、暫定規制値の500ベクレルを大きく下回っています。

 ぶどうの「あましずく」、梨の「幸水」でも同様の結果が得られています。この研究所では「果実に移行する放射性セシウムの量が、非常に少ない上、果実の肥大で濃度が薄まることがあらためて実証された」と強調しています。

 これから心配なのが、干し柿です。水分が飛んで、重さは8分の1になるそうですから生の柿が1キロ当り63ベクレルを超えていれば、干し柿は500ベクレルを超える可能性があります。福島県では、特産の「あんぽ柿」の製造を自粛するそうです。

 全く違う話ですが、この試験場の報告では、ひまわりを土が1キロ当り1,000ベクレルのところで栽培してもひまわりの種子には3.2~5ベクレル、茎葉には30ベクレル(1きろ当り)しか移行しませんでした。すなわち、ひまわりには放射性物質の除染効果は全く無かったのです。さらに、ひまわりの枯れた茎葉をどうするかと言う問題も解決しなければなりません。

 原発事故は、全くひどいものです。