“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

隣国の戦争できる国 日本への反応

2014年07月06日 14時58分48秒 | 臼蔵の呟き

第一次大戦、第二次大戦にいたるドイツ、フランス、ヨーロッパの関係に相似しています。不幸なことです。外交上の話し合いができずに、お互いの批難の応酬と猜疑心拡大のみです。

<中央日報>日本に高強度メッセージ送った韓中首脳

朴槿恵(パク・クネ)大統領と中国の習近平国家主席が昨日、日本に対して高強度の警告メッセージを送った。両首脳は特別昼食会で、日本の集団的自衛権行使のための憲法解釈変更、日本軍慰安婦の強制動員を認めて謝罪した河野談話の毀損の動きに対して憂慮を表示した。同時に北朝鮮への制裁の解除に対しても、核問題をめぐる国際協調を崩すおそれがあるという立場を表した。両首脳は首脳会談と記者会見では外交的な摩擦を懸念し、日本には言及しなかった。両首脳のこうした共同認識を受け、韓日、日中関係はさらに悪化する見込みだ。

関心を引くのは日本の集団的自衛権行使に関する部分だ。朱鉄基(チュ・チョルギ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官は「両首脳は日本の歴史修正主義的な態度が続いていて、自衛権の拡大まで推進し、憂慮されるという点に共感した」と述べた。続いて、両首脳は「(日本が)平和憲法によりふさわしい方向で防衛安保政策を透明に推進するべきだという点に共感した」と伝えた。これは、集団的自衛権の行使に関する1日の安倍内閣の閣議決定に対し、韓国外交部が明らかにした立場と似ているが、韓国の首脳が中国の首脳とともに「憂慮される」した点は注目される。

日本の集団的自衛権の行使は自衛隊が海外で戦争に参加できる道を開き、日米同盟の強化につながるためだ。米国は日本の決定に対し、ヘーゲル国防長官が歓迎すると明らかにした。このため韓中首脳の認識に対し、米国は韓国が中国側に急速に傾くのではという疑いを抱く可能性がある。韓日米の安保協調が試験台にのせられる可能性もある。

北東アジアは米国・日本対中国の対立軸が明確になる中で、韓中関係強化と朝日関係改善の動きが同時に進み、「永遠の友も敵もなく、利益だけが永遠」という状況を迎えている。韓中首脳が対日警告を送った日、日本は北朝鮮への独自経済制裁の一部を解除し、北朝鮮は日本人拉致問題調査に入った。北朝鮮の日本人拉致問題調査に時間がかかるという点を考えると、朝日協力の気流はしばらく続く可能性が高い。韓国政府は情勢が揺れる状況で外交安保政策の原則を再点検する必要がある。安保の礎石である韓米同盟の信頼が揺れないようにするのはその最初だ。中国との対日本歴史協調が政府レベルで行われることの負担はないかについても確認しなければならない。北朝鮮が外交多角化に動き出した点を考慮し、北朝鮮非核化外交とともに南北関係の改善も併行する必要がある。周辺国の陣営論理に陥らず、国益を最大化するための創造的外交が求められる時だ。


政治の劣化と安倍、自民党の政権運営問題

2014年07月06日 12時54分40秒 | 臼蔵の呟き

民主党政権の選挙公約反故、選挙での大敗などで選挙民の政治不信が大幅に拡大しました。その反動で民主党よりも自民党、公明党のほうがまだましでないかと自民党が再度、政権復帰しました。その後の進行はご存知の通りです。その中で、特に目立つことは、この報道が示す政治、政党、議員の暴言、失態などが広範囲に広がっていることです。いくつかの理由が考えられます。

最大は、安倍、自民党政権が極右政治勢力を背景として、政治の劣化、代議制民主主義の否定行為を公然としていることからくる現象が起きていると考えられます。慰安婦問題はなかった、どこの国の軍隊も同じとする維新の会橋下市長の発言、NHK籾井発言、百田経営委員の暴言と続き、その人物、人選がとどのところ安倍、自民党中枢につながる人脈からなっていることです。権力が右傾化し、暴力的是認することで右翼的勢力、右翼的議員、人物が自治体の議員としての進出することが容認、常態化し始めているからです。

2つ目は、議会が議会としての機能を発揮できなくなっていることと関係しているように思います。議会が形骸化することで、議会の場での審議が政策を徹底して審議することができなくなっているのではないかと感じます。数の力で与党、政権党が強行採決をする。または、閣議検定で解釈改憲を行うように、議会制度自身を全く否定するような運営を政権、行政府が行うことで、そのようなことが許されるとする政治的な雰囲気が蔓延しつつあるのではないかと感じます。

3つ目は、自民党、公明党、維新の会、民主党、みんな党、結いの党などが自民党の一派閥になっていることに関係します。政治状況が大勢翼賛化し、まともな審議ができない。馴れ合いに終始することで緊張感が全くなくなっています。

4つ目は、大手マスコミの報道姿勢が、政権党に取り込まれ、迎合していることがあります。NHK,読売、産経、日経などが報道機関としての使命を放棄していることに関係します。政治的な不祥事、議員の劣化、議会運営の形骸化を隠し、容認することで多くの国民が知る権利、考え、批判する力を奪われていることが問題です。

<報道記事>

 東京都議会のセクハラやじや、政務活動費の使途が不適切と指摘された兵庫県議の「号泣」記者会見など、地方議員の言動が物議を醸している。道内でも青森県のむつ市議が器物損壊容疑で逮捕され、道議のネット上の書き込みが反響を呼んだ。専門家からは「人材不足による議員の資質低下」を指摘する声も挙がる。

 「地方議員の不祥事が相次いでいる。身を律して活動するように」。道議会の会派、自民党・道民会議の布川義治会長は3日の議員総会で、所属議員に注意を呼びかけた。セクハラやじ問題に加え、1日に兵庫県議の会見があり、2日には稚内市内を行政視察中だった青森県むつ市議がタクシーを蹴って逮捕されるなど問題が相次いだためだ。

 地方議員の問題続発について、札幌大の浅野一弘教授(地方政治論)は「地域経済の衰退に伴い、人材難や資金不足で多様な人が立候補できなくなったことが背景にある」として、議員の資質低下を指摘する。2011年の道議選では議員104人のうち、過去最多の31人が対立候補がなく無投票で当選。道内の市町村議選でも無投票が相次ぎ、定員割れになったケースもある。

 一方、北大公共政策大学院長の山崎幹根(みきね)教授(地方自治論)は地方議会への有権者の関心が低いため、「緊張感を無くし、不用意なやじなどを生む要因になっている」とみる。<北海道新聞7月6日朝刊掲載>

<琉球新報社説>セクハラやじ 議場の人権侵害を許すな

 この国の「言論の府」は人権侵害が横行する組織に堕してしまったのか。そんな疑念を抱かざるを得ない。4月17日の衆院総務委員会で、上西小百合議員に対し、大西英男議員が「早く結婚して子どもを産まないと駄目だぞ」と「セクハラやじ」を浴びせていた。
 個人の尊厳を深く傷つける暴言である。しかも、上西氏や議事録によると、やじが飛んだ際、周囲の議員から笑い声や拍手が起こったという。人権侵害を許容する行為に等しい。東京都議会に続く「セクハラやじ」の発覚によって、選良の人権感覚が厳しく問われる事態となった。
 一般の企業組織の中で、このような発言をしたらどうなるのか考えてみたい。人権意識の欠落が追及され、何らかの処分が下される可能性があろう。上司や部下からも非難を受けるはずだ。自治会やPTAなどの地域組織でも同様である。親しい間柄であっても人権を損ねるような行為は許さない。これが一般社会の常識である。
 ところが、一般社会の常識は国会や東京都議会には通用しないようだ。「やじは議会の華」という言葉に甘え、人権を侵すやじを議場で発する。周囲もそれをとがめず、笑い声や拍手で応じる。このような議会の常識を一般社会は容認しないし、人権感覚に欠けた議員を選良とは認めない。
 海外の目は厳しい。都議会でやじを浴びた塩村文夏都議が6月24日に日本外国特派員協会で記者会見した際、参加した海外メディアの記者から「(やじ問題は)50年前のような話」という驚きの声が上がった。ドイツのジャーナリストは「ドイツで同じことをやったら議会はストップし、議員は直ちに辞職する。日本社会全体でもっと怒りを示すべきだ」と述べた。
 京都大の落合恵美子教授(社会学)も「海外ならば、今回のやじは明らかな差別発言に当たる。議員辞職すべき問題だ」と指摘した。これが世界の常識であることを肝に銘じるべきだ。
 自民党の石破茂幹事長は都議会と衆院総務委員会でやじを飛ばした議員が党所属であることを踏まえ、所属の国会議員と都道府県連に、不用意な発言を慎むよう注意する通達を出す方針だ。政権党のおごりを拭い、人権意識を高めるため議員研修をやってはどうか。

 一般社会に通じない議会の常識を直ちに改めるべきだ。これ以上、人権侵害を放置してはならない。


資本主義の醜さと病

2014年07月06日 10時55分44秒 | 臼蔵の呟き

この社説で言われるまでもなく、利益至上主義、新自由主義経済万能論は、資本主義のもっとも醜い側面を見せているのだと思います。しかも、資本主義の限界と、その矛盾の解決に向けての対策が、市場経済万能論、利益至上主義からは生み出されないということを示しているように思います。多くの経済学者が、新自由主義の限界、資本主義の限界に言及するようになっていることは注目に値します。

平和の実現と武力の否定、基本的人権、思想信条の自由、信仰の自由などは人類の基本的価値を表現している思想です。これらの基本的な価値、思想が実現されないような体制、社会は必ず、是正を迫られると考えるべきでしょう。

<東京新聞社説>成長病にはさようならを

 資本主義の行き詰まりを指摘する経済文明論がブームです。アベノミクスで景気回復ムードは高まっているのに。「資本の論理」の暴走への反乱なのか。

 四月に米国のNGO(非政府組織)がある指標を発表しました。世界百三十二カ国を対象に暮らしやすさを表す「社会進歩指標」。一位はニュージーランド。以下スイス、アイスランド、オランダ…。日本は十四位で、世界一の経済大国・米国は十六位でした。

 意外や、指標を考案したのはハーバード大学の著名な経営学者、マイケル・ポーター教授。企業の競争力研究など市場主義の象徴のような人物です。

◆GDPへの過度な信仰

 二十世紀を通じて重視されてきた経済力という指標では、もはや不十分と考え、自殺や女性の地位、学校の出席率、少数民族への態度など膨大なデータを反映させたのです。幸福度指標など、この種の新しい指標はいくつか存在しますが、共通しているのは経済力や軍事力の強さは市民の幸せにつながらないということでしょう。それはGDP(国内総生産)への過度な信仰が「本当の豊かさ」を損なっていることと同義です。

 そもそもがGDPは軍事費だろうと原発建設費だろうと、生産を増やすものはすべてプラスに換算されるのですから。こうしたGDP信仰、さらには資本主義というシステムの存続に疑問を持つ声は少なくありません。日本大学の水野和夫教授も、その一人です。証券会社系シンクタンクでエコノミストを三十年、政府に招かれ内閣府官房審議官など経済政策の進言役も務めました。水野氏の目には、これまで経済発展に貢献してきた資本主義は役割を終え、むしろ負の側面ばかりが映ります。

◆資本主義にブレーキを

 著書「資本主義の終焉(しゅうえん)と歴史の危機」(集英社新書)は、こう解説します。

 資本主義は、常に収奪する側が、搾取される側「周辺」をつくり出し、成長を最も効率的に行うシステムでした。先進国は多くの途上国を「周辺」としてきたが、もうアフリカしか残っていない。米国は、代わりに金融で新たな「周辺」をつくったが、リーマン・ショックで、それもついえた。

 それでも利潤追求を必然とする資本主義ですから、収奪する先を国内にもつくる。それが非正規雇用であり、残業代ゼロの社員-。

 「成長病に侵された政府は資本主義にしがみつき、成長至上にとらわれた政策を続けている。それが多大な犠牲を生んでいるのです」。水野氏は続けます。

 アベノミクス効果で浮かれ気味の政権とは対照的に、生活保護世帯や金融資産がゼロの世帯が増えている。物価上昇分を差し引いた実質的な賃金は低下している。中間層は疲弊し、もう資本主義を支持する動機がない言います。

 資本主義の長い歴史で、時々の暴走には経済学者や思想家がブレーキをかけてきました。「資本論」のマルクスはもちろん、経済学の父、アダム・スミスは「道徳感情論」の中で「金持ちがより多くの富を求めるのは徳の道から堕する」と説き、二十世紀の偉大な経済学者ケインズは、失業は市場で解決できるとせず政府が責任を持つべきだと主張しました。

 今はグローバルに暴走する資本主義にブレーキをかけ、次なるシステムを模索する時期。それは短期にできるものでも、経済だけで実現するものでもないでしょう。社会の変革を伴い、あるいは気づいたら移行していたというものかもしれません。

 水野氏が考えるには、キーワードは「脱成長」。それは後ろ向きな発想ではなく、現在の「過剰さ」に向き合い、適正な水準に見直す。賞味期限に過剰反応して大量廃棄される食品ロスの問題、住宅街まであふれる自動販売機、昼間でも煌々(こうこう)とともる照明群…。「過剰」や、バブルを起こさなければ回っていかない現在の資本主義経済はやはり異常です。

◆古い思想の新成長戦略

 小渕内閣の「経済戦略会議」で構造改革の旗を振り、後に市場原理は誤りと「転向」した中谷巌氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長)は言います。

 「人間は成長を目指すDNAを備え、排除するのは難しい。それでも米国で株主利益より社会貢献を優先できる仕組みなど株主至上主義を見直す動きもある。要はどういう社会を目指すかを選良が示すべきだ。新成長戦略は(強者を利する)規制緩和など古い新自由主義的思想で残念です」

 「資本の論理」ばかりの成長戦略は国民を不幸にする-。かつて政府の経済戦略に関わった二人からの重い問いかけです。