中国とアメリカ政権がいろいろな問題で意見の違いがありながらも毎年、相互に対話を繰り返すのは当たり前のようですが、すごいことです。日本の安倍、自民党政権のように隣国の政治指導者と話し合いをすることすら出来ないで何年も経つ関係は異常ですし、餓鬼のような政治、政権運営には驚きです。その結果、その負の影響は等しく日本国民に降ってかかってきます。
包囲外交、俯瞰外交と銘打っていますが、要は、中国の周辺国と中国を対立させ、その反動を利用して日本の支援国にしようと画策することに意味があると思っているところに浅はかさがあります。誰が見てもそう感じるのですから、中国政府が感じないはずがありません。日本企業は中国に生産拠点、販売先を数多く持っており、中国を無視して生きることは不可能です。また、世界の人口の約2割を有する国家と関係が作れないで日本のような貿易国家が成立することは不可能であることも自明のことです。
このようなおろかな政治、安倍、自民党政権にはあきれるばかりです。
<信濃毎日社説>米中戦略対話 日本外交の課題も映す
北京で行われた米国と中国の戦略・経済対話は、アジア太平洋での主導権をめぐる両国のせめぎ合いを浮かび上がらせた。米中が協力関係をつくるのは容易でないとあらためて感じる。
対話は2009年から毎年1回開いており、6回目になる。北朝鮮の核・ミサイル問題では、国連安全保障理事会の決議に基づく制裁の完全履行で一致した。重大な軍事行動について連絡し合う通報メカニズムの早期構築を目指すことでも合意している。
一方で、米中間の溝の深さが鮮明になった。一つには、東シナ海や南シナ海の領有権をめぐる問題だ。「一方的行動を取るべきではない」とする米国に対し、中国は「領土主権と海洋権益を断固として守る」など、妥協しない姿勢を強調している。
習近平国家主席は、5月のアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)首脳会議で「アジアの安全はアジア人民が守らなければならない」と述べていた。アジア重視戦略を掲げ、同盟国との関係強化を図るオバマ政権へのけん制だ。対立の構図が今回も表れた。
中国は、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定したり、南シナ海で石油掘削を強行してベトナムと艦船の衝突を引き起こしたりしている。軍事力を背景にした強引なやり方は、国際社会に受け入れられるものではない。
習氏は、戦略・経済対話の開幕式で「太平洋には中国と米国という二つの大国を受け入れるのに十分な空間がある」と強調した。東・南シナ海で領有権を主張するだけでなく、西太平洋にまで海洋権益を広げる構えだ。この考え方にも米国は反対している。
米中が国益むき出しで張り合えば、緊張がさらに高まりかねない。習指導部は、オバマ政権に「新たな大国関係」づくりを呼び掛けている。大国を自任するなら、米国と協力し、アジアの安定に向けて責任ある行動を取るべきだ。
新たな関係を模索する米中両国にどう関わっていくか、日本の外交も問われる。安倍晋三首相の積極的な外遊とは対照的に、中国とは対立が深まるばかりだ。習氏は最近も盧溝橋事件から77年の式典などで日本を批判している。
一時は中国最高指導部メンバーが自民党幹部らとの会談に応じるなど軟化もうかがわせた。隣国と首脳会談ができない状態をいつまでも放置できない。中国の真意を見極めながら、対話の実現に本気で取り組まなくてはならない。