“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

日本経済を肺炎にする

2012年04月27日 05時22分25秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、皮肉な小ネタです。

「ポマードで髪の毛を塗り固め、最近はいろいろなことを忘れてウソで塗り固めている方が総理大臣だったころ、消費税を引き上げ、定率減税を引き下げて、風邪から治りかけていた日本経済を肺炎にしてしまいました。同じことをまた繰り返そうとしているんでしょうか。」

これは、だれが言った話でしょうか。

2005年1月25日、衆院代表質問でウソで塗り固めている野田佳彦衆院議員(民主党)の言った話です。




協同組合の「社会的経済」の役割と課題

2012年04月26日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
このレポートは、
協同組合の「社会的経済」の役割と課題農林中金総研主催で「共生する社会を目指して―重要性を増す『社会的経済』の役割と協同組合への期待―」のタイトルで国際協同組合年記念シンポジウムが開催された。ことに関するレポートですが、現在の日本政治、経済の行き詰まりに対する提案、議論でもあり、新自由主義経済がアメリカ、イギリス、日本、フランスなどで、なぜ、腐敗、高失業率、金融資本の破綻、そのサイクルの短縮化されているかを考える上で、重要な示唆を含んでいると思います。

  北出俊昭・明治大学元教授のシンポジウム参加しての報告です。

 4月17日、農林中金総研主催で「共生する社会を目指して―重要性を増す『社会的経済』の役割と協同組合への期待―」のタイトルで国際協同組合年記念シンポジウムが開催された。このシンポジウムでの中心的な課題はタイトルにもある「社会的経済」とそれと関連した「社会的企業」の理念と実態に関して。ここではこの二つにしぼってシンポジウムのとくに重要と思われた2点について。

◆「社会的経済」と「社会的企業」の概念
 その一つは「社会的経済」や「社会的企業」の概念にかかわる問題である。ビクター・ペストフ氏は「社会的企業」の定義として
5つの経済的特性(持続的な財・サービスの提供、高度な自立性、相当程度の経済的リスク、最小限の有償労働、限定的な利潤分配)
4つの社会的特性(コミュニティへの貢献、市民グループ主導の組織、出資比率に基づかない(民主主義的)意志決定、影響を受ける人々を巻き込む参加型活動(共同生産))を示した。

「社会的経済」や「社会的企業」については、わが国では、一部の国際協同組合研究者のほかは、必ずしもひろく理解されているとはいいがたいが、近年、西欧の協同組合関係者の間では重視されていることで、この定義も欧州社会的企業研究グループの共同の成果であり、ペストフ氏個人の見解ではないという。
 ここで示された経済的特性と社会的特性は一見して明らかなように、1995年のICA大会声明で示された協同組合の「定義」、「価値」、「原則」と表現は異なるが思想は同じである。ペストフ氏はこの「社会的企業」が国家(公共部門)、市場(企業部門)、地域社会(家計部門)の三つとの関係を維持しながら社会的経済部門を構成することにより均衡した社会が形成されるとしているが、それは同時に協同組合の在り方を示していることでもある。
 ペストフ氏はスウェーデンでも合併により協同組合の民主的構造が失われたが、多様な組合員や、市民の多様なニーズに応えることを、基本とした取り組みにより、市場や国家がなしうる以上の信頼を得ることができるとし、公共部門、民間部門と同時に協同組合などの第3セクターが重要なことを強調されている。これは地域社会建設のうえで協同組合が果たす役割の重要性を示しているのはいうまでもない。

◆「社会的経済」と「社会的企業」の位置づけ

 シンポジウムで示されたいま一つの注目すべき問題は、内橋克人氏が提起した現代資本主義経済における「社会的経済」や「社会的企業」の位置付けである。内橋克人氏は「『社会的』という冠をつければよい」というものではないとし、
[1]資本主義陣営は米ソ冷戦時代には譲歩してきたが現在は市場原理主義の強化でマイルドな姿勢はみられない、
[2]その結果、グローバル企業とローカル企業では天文学的格差がみられ、経済的、社会的、地域的に多様な格差が拡大し貧困も進んでいる、
[3]それにもかかわらず「社会的経済」というと現在の資本主義のむき出しの姿とは異なる印象をあたえる、と述べ、「社会的経済」は「資本主義の単なる補正」でそれを延命させるだけではないか、と批判された。
 内橋氏がこうした意見を表明された理由は、関西電力・大飯原発の再稼働問題にみられるように野田政権は、大震災前とはまったく変わらないやり方を踏襲し、日本国民の気持ちを代表していないと批判され、「社会的経済」は、こうした生々しい現実に立ちむかっていないのではないか、という思いからであった。
 これはもちろん協同組合にもかかわる重要な問題である。その理由は、世界の協同組合は1995年のICA大会で「定義」、「価値」、「原則」を決定したことは前述したが、それを実現する上では、とくに資本主義への対応が重要問題となるからである。例えば「価値」では民主主義、平等、公正などを規定しているが、現在それが著しく阻害され、むしろ悪化している。その原因は市場原理主義政策にあるのは明かで、協同組合が真にそれを求めるのであれば現代資本主義の市場原理主義と真正面から対決し、それを転換する必要がある。その理由は市場原理主義のもとでは「価値」の実現が困難だからである。シンポジウムで内橋氏が提起されたこの問題は、もともと協同組合主義者に対する批判としてかねてからある実践的、理論的な問題である。シンポジウムではその究明が現在の重要課題であることが明らかになったといえる。
 本年の国際協同組合年を契機に、農協も改めて国際的視点にたち本来の協同組合としての在り方を追求する必要があることを痛感したが、17日のシンポジウムはその意味で極めて意義があったといえる。

ペストフの三角形

2012年04月26日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
3.11東日本大震災の災害、原子力発電所事故・放射能汚染、失業率の増加、貧富の格差拡大、財政赤字の増加などを受けて、社会の不安定化、閉塞状況は際立っています。何とかしなければならない。しかし、どうしたらよいかが提示されない。分からない。その閉塞状況への対応方法として、大阪府、大阪市の維新の会の独裁政治、強権政治が一定の支持を受けています。公務員いじめもその1つの現象です。

今回の、農林中金のシンポジウムは2012年が国際協同組合年であることから記念行事として開催されました。参加者は300人、多くの学者、研究者であったそうです。4月17日農林中金のシンポジウムが開催され、「社会的経済に関して」議論が行われました。4月24日朝のNHKラジオで内橋克人さんがこのシンポジウムの議論を紹介していました。内橋さんはパネリストの1人でした。その中で基調講演が行われ、スウェーデンの政治経済学者ペストフさんが社会的経済、ペストフの三角形に触れて報告がされたそうです。

「ペストフの三角形」とは、この近代社会の“3点セット”=自由・平等・友愛を頂点とする「三角形」のことです。NPO、NGOの意義を理解するための組織分類法として、スウェーデンの政治経済学者ペストフが提唱したことからこの名がついています。

人がつくる組織を、3つの軸((1)公的・私 的、(2)営利・非営利、(3)公式・非公式)で分類すると、公的・非営利・公式な「政府」、私的・営利・公式な「私企業」、私的・非営利・非公式な「共 同体」(血縁・地縁・文化)となります。NPO、NGOは、これらの3つの組織が交わる三角形の中心にあって、政府・企業・共同体に学び、それぞれの欠点を補う、第4の組織であるとされています。
多くの議論は、企業・政府といった「公式な部分」に偏りがちで、共同体や個人の存在は軽視されてきました。しかし、課題の克服(自由・平等・友愛の鼎立)には、「非公式な部分」(家族や地域)の再生、そして「個人」の自立、自律が不可欠であり、NPO、NGOの台頭はその現れにほかならないとされています。

私達の食卓はあなた達の投機の対象ではない

2012年04月26日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、TPPの話です。

韓国のFTAの反対運動の中で高校生がデモ行進の際に持っていたプラカードに「私達の食卓はあなた達の投機の対象ではない」と書かれていました。韓米FTAは、ミニTPPと言われておりFTAを知る事でTPPの特徴がよく分かります。

日本ではTPPを「日本の農業がダメになる」「食料自給率が半分以下になる」などに代表されるように、TPPを農業問題や貿易問題に矮小化し、ことさら国民には大した問題では無いように描かれています。農協や農業団体がそのように主張し、政府や一部メディアもそれを利用し、問題の本質を見えないようにこの問題だけに閉じ込めたように思えます。

情けないことに、農協の人たちの街頭行動では「TPP反対にご協力ください」などと言ってチラシを撒く人までいました。こんなことしたら「俺は自分のことで精いっぱいだ、なんで農家に協力しなければならないのだ・・・」と思ってしまいsます。

さきほどの韓国の高校生の主張のように、生産者の問題ではなく国民全員の問題なのです。日本国民の食料がアメリカや諸外国、もちろん日本の投資家の投機の対象になるのです。

韓国の「健康権実現のための保健医療団体連合会政策室長」のウ・ソッキュンさんの文章をお仮してFTAをTPPに置き換えるとこうなります。

1 TPPは1980年代以降推進されてきた新自由主義を国際協定によって更に強化させるための試みです。TPPは1パーセントの金持ちと日本とアメリカの財界だけのための協定です。

2 政府は関税引き下げによる輸出増加、経済成長、雇用の増大を強調しますが、実際に得られるのは、雇用の減少、社会保障の削減と民営化、物価の引き上げ、貧富の差の深刻化、公共部門の民営化、裕福層の減税です。

3 TPPは、貿易での関税障壁だけでなく主に非関税障壁の除去を狙っています。

4 TPPでは、一旦アメリカの投資家が日本政府を国際朝廷機構に訴えれば、日本政府は身動きできずにひっぱられて行き、仲裁を受けなければなりません。TPPは日本の国内法より優先するのです。アメリカや世界の投資家さらに日本の多国籍企業に「自由な経済行為を、環境を守るなどという前近代的な日本の法律によって、損失を被った」という「罪」で日本政府は多額の賠償金を訴えた企業に払い続けます。これは、ほとんど侵略行為と同じです。

5 町内の飲食店、ピザ屋、商店、肉屋、八百屋がしんどくなります。

日本でも、TPPの本質をグサリと突いた表現と反対運動が必要です。

村井嘉浩知事の東北電力女川原発再稼働の判断材料

2012年04月25日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
多くの知事が、原発再稼動に反対している中で、宮城県知事が以下のような記者会見を行いました。宮城県は福島原発事故で大きな影響を受けています。特に、一次産業の農林漁業は出荷制限をかけられ、操業不能になっている産業がいくつかあります。そのような企業のことはお構いなしに、大手企業が操業するのに必要な電力供給を優先させる姿勢を、明確にしました。その理由は、電力不足で、雇用が奪われるとの理屈です。

そもそも、村井知事(松下政経塾)は、震災復旧、復興の対策作成を野村総研に依拠し、「水産特区」「多くの被災物処理をゼネコンに丸投げ(コストは何千億円:復旧経費)」し、関連産業、地元から批判されました。今度は、その姿勢をそのまま原子力発電所再稼動にも適応し、表明したのでしょう。彼の心情、政治姿勢は新自由主義を中心としたものです。その点では、現在の野田、前原氏(松下政経塾)とまったく同じです。彼は、自助努力を奨励し、機会平等を保障するから、個人、企業が競争することで経済は発展するとの姿勢をとっています。その1つの政策提起が、水産特区構想でした。資本力の違い、それも、桁が違う資本力の格差を問題にせず、同一市場に投げ込むことで、弱肉強食社会の弊害が現れることをまったく、無視しています。

今回の、原子力発電再稼動の容認発言は、東北電力が12年度夏の電力需要は計画停電なくして、乗り切れるとの発表に対しても、否定的な影響を与えます。知事が、必要な電力需要を計算できているのであれば、詳しく企業、県民、電力会社に報告すべきです。詳しい報告を抜きに、県民の心配を押さえつけ、東北電力の肩越しに、威圧的な見解表明することは許されることではありません。

<村井嘉浩知事の東北電力女川原発再稼働の判断材料>

 村井嘉浩知事は23日の定例記者会見で、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働の判断材料として「最も最優先するのは安全だが、経済性も一つの要素となる」との認識を示した。
 原発を廃止して火力発電所に置き換えた場合に電気料金の値上がりが予想され、県が進める企業誘致へ影響が出ることを懸念。「円高の中で頑張っている企業が耐えられなくなり、結果的に雇用が大きく失われる恐れがある」と指摘した。
 政府が、福島第1原発事故の検証結果がまとまる前に、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働を地元自治体に要請したことの是非に関しては「事故調査・検証委員会も政府がつくった。政府が最終的に責任を持つべきだ」と述べるにとどめた。