春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

加ト吉の加藤義和社長

2005年11月15日 | 日記
午前10時から冷凍食品業界大手・加ト吉の加藤義和社長のインタビュー。本社は香川県観音寺市だが、東京・築地に
東京支社があるので、そこでインタビューすることになった。加藤社長は、4期16年間、観音寺市の市長を務めた経験が
あり、また急成長した会社として注目されているだけにマスコミの応対には慣れている。質問に対する回答は歯切れがよい。

加藤社長は昭和11年生まれの69歳。中学卒業と同時に海産物の行商人となり、20歳の時に海産物問屋を設立。その後、
冷凍えびフライの生産・販売を開始し、外食市場の成長を背景に着実に成長を遂げた。平成6年には新潟県南魚沼に工場を
建設し、冷凍米飯、無菌パック米飯、無洗米など、米関連の巨大な市場にも進出している。

また、中国・タイ・インドネシアに本格的な生産拠点を設け、現地加工のワンフローズン商品を日本国内に提供するなど、
将来の海外での冷凍食品市場への進出も視野に入れた生産・物流・販売体制を築いている。

加藤社長の夢はたくさんある。その中のひとつが「中国の人に海の魚を食べさせたい」ということ。加ト吉は中国にいくつか
工場を持っているが、人口13億といわれている中国において、内陸部の人たちは海の魚を食べたことがないという。この人
たちに海の魚を食べさせたいというのが加藤社長の夢だ。

市長の経験を持つ加藤社長は、行政と民間の経営の違いをこう説明する。役所は倒産することはない。だから職員は「失敗し
ないこと」「叱られないこと」を考える。さらに役所は予算主義なので、コスト意識が希薄になる。民間が3分で意思決定で
きることを、役所は部内で決定し、地元の意見を聞き、議会で決定する。予算が付くまでには時間がかかるわけだ。

リーダーにとって大切なことは、リスクを負っても自らの責任において素早く判断することだという。加ト吉の企業理念は
「G、S、R」(グローバル、スピード、レボリューション)だ。