春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

長崎での新盆

2011年08月17日 | 日記
四十九日の忌明け後、初めて迎えるお盆が新盆。今年は母の新盆。
13日に帰郷し、母と先祖の霊をお迎えできるよう準備した。

新盆には親戚・縁者から盆提灯が届けられるが、その提灯には表と裏に家紋が描かれている。
8月14、15の両日、この提灯を墓前に灯すのがこの地方の慣例だが、灯す提灯の数は地域の申し合わせで
20個以内と決められている。

それにしても20個の提灯を同時に灯すのは容易なことではない。まず、支柱となる材木2本を用意し、
その先端に滑車を取り付け、ロープを通して墓石の両側に立てる。横軸として竹竿4本を用意し、
その竹竿の両脇をロープに結わえ、4本の竹竿がロープの操作で自由に上下できるようにする。

最後に、それぞれの竹竿に提灯5本を吊り下げられるよう間隔を置いて短く切った針金を結び付ける。
これで完成だが、この作業は素人ではなかなかできない。業者にお願いするしかないのだ。

14日は雨のため墓前に提灯を灯すことはできなかった。翌15日も雨だったが、雨が小降りになったのを見て
20個の提灯を一斉に灯した。ロウソクが消えかかった頃、雨が降り出したので、支柱のロープを緩め、
急いで提灯を取り込んだ。短時間だったが、20個の提灯を墓前に灯すことができたのはなによりだった。

盆踊りも14、15の両日が雨天のため中止。16日にやっと実行できた。
盆踊りは、帰ってきた霊を慰め、そして送り出すための行事と伝えられているが、
先祖の霊をお迎えするに際し、先祖に感謝し、生きていることの喜びを踊りで表現しているとも言われている。

また、16日は、お盆のあいだ一緒にすごした先祖の霊をお送りする日。
地域によってさまざまな行事が行われているが、最も有名なのが京都の「大文字焼き」の送り火。
わが家では、この日、「送り提灯」を灯して母と先祖の霊を丁寧にお送りした。


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