望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

秀でる路線

2024-02-18 18:54:02 | 思いダイヤル

秀でる路線

レールとレールに錆び付く不安
三枚羽は黒褐色に馴染まれた
残り一枚によせる意気地
傲られ煽られた中で四つん這い
萎びた花びらを抱き締めて
交互に支柱と庇いあった

鈍行汽車に乗車すれば凹凸
ゆるやかなカーブをガタン
ブレーキの茶錆びでゴトン
方向きやすい精神路線
藁をもつかみたい真っ直ぐさ
腹黒い砂糖水にかぶり付き
飲み干されるまで固形物
太い一本の起動は野原を通過
俯瞰する優しすぎた花弁

秀でる線路から決別 花束を一路へ贈ろう
真っ当な花盛り蝶よ羽よ
一人では遠い駅に二輪草












小春凪ぎ

2024-02-09 13:59:50 | 思いダイヤル

小春凪ぎ

クレパス7色を駆使して照射
園児ぐらいになったかな
春蝶々はサナギに情緒不安定
画仙紙に夫婦岩を描写
絵心はサナギから青汁を書写
名前2文字に執着してこそ

薮椿一輪 メシベに接吻
薮椿色 甘味な非現実より生色を我が手に点描
愛撫さながら反芻する15日
その半分の眼差しでよかった

15回目の春 鶯の鳴き声よ独奏する我に戯れて
やっと辿り着いた小春凪ぎ
万年筆でしたためる妙味
油絵モナリザより確かな情愛









空き家に紡いで

2024-01-27 13:23:25 | 思いダイヤル

空き家に紡ぐ

蔦に蔓延られた空き家
郵便配達 宅配便も行き過ぎ
すうっと古びた光景に紡がれる

黒ずんだ箪笥に古びた着物 
赤子をあやす人は手拭いにモンペ姿 
凍える夕暮れに立ち向かった
両手を合わせ悲境であろうと
家人は去り際に数えた唄

感傷にしたり観賞している他人
蔦を切り裂いてどうにか
内部に混沌する事象を嗅ぎたい
古びた暖簾はすきま風に揺らぐセピア色

空き家は薄暮にゆらゆら
唱歌にゆらゆら茅葺き屋根
幼少時代は走馬灯でゆらゆら
懐旧を紡いでほつれていく






 












田舎むすび

2024-01-17 15:42:51 | 思いダイヤル

田舎むすび

仕事師を手繰ってあの日
記憶の白雲はキラキラ
さざ波 波飛沫に昇る心旅路

春の雪を淡い心痛としのぎ
我が家 鶯とともに春よ 
白梅をこよなく愛した
世間並に家をとまっしぐら
早朝より日暮れまで田舎むすび
田舎むすびを日々とした仕事師

あの日の仕事師を呼び覚ましたい
こよなく恋しい面影か仕事師
負けるなと尻を叩いた本音
海苔のかおる波打ち際に止まらない
そこからの時間を田舎むすび








小枝に三叉路

2024-01-05 21:56:37 | 思いダイヤル

小枝に三叉路

里山は谷間 水仙に似たあますだれ
奥山への三叉路 サボテン種ビャクダン
この名前だと呼ばせた悔恨
愛おしさへ旅立った
枝先は二股へ左右に行く末
小枝に新緑を求めていよう
方位磁石は南北を指してどっち
いつ何処 愛おしさは360日
大枝三叉路に遠く遠へ枯れ葉
愛おしい人とともに
愛おしさにみちよう