望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

イラクサ部屋

2022-10-05 15:34:09 | 思いダイヤル

イラクサ蔓延る部屋

イラクサ部屋

イラクサ蔓延った日常部屋を行き戻り
こんにちは イキイキ山河にありて幾年歳
誰かさんよ 声を掛けたい
あんた誰かさん違うのか
次から次 玉水を蓄えたイラクサ部屋
話し掛けたい言葉でつまづく
おーい猫 こっちこい子
路地を横切ってふてぶてしく走り出すどら猫
あーあ 行ってしまうか

蔓延るイラクサ部屋から冬へ潜り込んで行く
山を駆け上ってまだまだ霧中
河幅を満面にして水粒の記憶は玉水でさらり
あした地下水に還ろうと大地を示す普遍水蒸気














思いダイヤル

2022-09-13 01:21:33 | 思いダイヤル

思いダイヤル

荒地の雑草に新たな名前
ダイヤルを回して読み込む
1 2 3 4 567890
昨日の草と命名していた
草地を突き上げる金の羽 明日草と言わしめて廻る
ふと回してるダイヤル
時間経過と連動するように
明日を意識して回してる





父性愛散歩

2020-11-01 22:39:50 | 思いダイヤル


父性愛散歩

レトロな背広の老父
細身 八十過ぎ 昭和世代カジュアルにきが引ける修身世代だろう 老父は車椅子と進む散歩 車椅子にかかる重量 それはすがる心情と体重 両肩に懸かるものを超越して気遣いは細身を支える
その年格好より頑健
その細身をしならせて
疲労困憊ほどでもない声かけ それは意識の上に意識せず物欲なし無償なのだ

我が家に着いたのか
父ちゃんの声で降車
一歩引きずり足
二歩目はしっかりと歩行
父ちゃんは介助にまわる
玄関で母は出迎え お帰り
母の声 母は見守り 家に電気の灯りは三人分 慎ましやかな薄明かり
父性愛は中年の我が子を気遣いつつ 妻に労り 2つの介助 日課を終え明日の日課を計画配分より 一刻も睡眠につきたい
父性愛は限りある時間に身を任せても采配と決断
有償に対し家族を委ねられる金力 無償という厳然な愛力 余暇を持てない老父
限られた時間 残存する生命感 生きている道標
老父は穏やかな小路 父性愛散歩を日課に夜を待ち望む





文明排水口

2017-06-29 16:02:56 | 思いダイヤル
阿南市大野町田園から眺める文明

「文明排水口」

時により時を刻む満ち潮にのる
入江の奥 文明排水口にたどり着く
泥臭い水の中に沈みそう

ふわふわ漂うクラゲ
文明のたれ流す水に麻痺してなければ
泥に埋もれてしまう

文明の落とし物と蠢くカスは排出される
溶け込んだカスに麻痺して漂いなから
引き潮に引かれていくしかないクラゲ

文明の排水口は至るところに口を開き
水に溶けてしまうクラゲを待ってる

しみじみ染み入る山里 美波町

2017-06-15 09:21:54 | 思いダイヤル
徳島県美波町白沢の夏色景色

 美波町白沢は山河内方面から 南へ入った山あいにあり その山を越えると南阿波サンライン その眼下には大平洋がひろがる
のどかなごく普通の山里でも 心の古郷しみじみ染み込むものがある

「いきおい」

ホトトギス独特の囀ずりは
山の隅々までかけ上がる勢い
田畑は夏色に暑くなる勢い

老夫婦だけの家からラジオの音
勢いよく鳴る
しんみりと夏風ぬけていく空家
勢いよく夕映えに染まる

村の隅々まで夕暮れの勢い
若鮎の遡上は若人の勢い
銀輪がひときわキラキラと
夏色に勢いをましていく