望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

そこだけ紅葉

2017-11-30 20:45:19 | さみしさBOX
そこだけ紅葉


どうしてそこだけ紅葉に燃える

植林された整然が真っ当と恐怖の傘で攻め寄せる

積もった落ち葉をザクザク踏み込んで紅葉の鍵を抉じ開けた

紅葉になっても一分一秒でもとどまりたかった命の鍵

吹雪のように断続的に降って消えたくない

生きてきたのだから何時までもすがっていたい

赤々と情熱に映えて燃えていたい

一枚になっても赤々と命の鍵にすがり付いて離れてなるものよ



母のウエス

2017-11-09 12:42:03 | さみしさBOX
徳島市 植物園より


母のウエス


満月の光沢にすすき野は映える
母の温もりのような光
男ひとりすすき野にあり
すすきを自分に見立てるでなく
満月を見上げて慟哭する
男ひとり満月に母の顔を浮かべ
男ひとりを噛み締める

三日月の下を切れていく雲
三日月だけぽっんと見られるより
すじ雲は流れて三日月をひきたてて惜しみない
男ひとり切れ切れて清みきる心根
満月の微笑み母のウエスを誇りて
世の隙間に切れ切れ細切れようと
母のウエスに涙を振り切って
男ひとりを惜しまない



文字だけの季節

2017-10-29 10:09:09 | さみしさBOX
徳島港 南海フェリー船体

文字だけの季節

秋から冬へむかう道端 
過酷な固さに根をはる西洋タンポポ
季節にとらわれず道端に蔓延る西洋タンポポ
春先に咲くからタンポポだった
季節が揺らいで咲かされる

下から突き上げられる
周りから攻められる
上から踏み込まれる
怨念をうかべる手段なき先住者
運命の峠へ進むしかない

季節は変容しすぎて戻せない
季節を味わう者によって
季節感は奪われてしまう



芯となす熟成

2017-10-16 14:10:35 | さみしさBOX
ナツメ 芯のある熟成

「芯をなす熟成」

赤々と万感のナツメ色
冷静さと温度差ない持続
先の見えない行き戻り
幾多の曲折をへて芯ある熟成
普遍の熱力で熟成から命の伝達

一つを繰り返し繰り返す熟成
分かれ目に溶鉱炉を一時冷却しても続いていく
終章の幕引きない無言劇に勇気は生まれない

終幕ある熟成
曲折に迷いてふためき
弱さ嘆き鳴き声も高らかにあげる
勇気と言う芯の元に展開するから人生劇なんだ



秋風に素敵なときめき

2017-09-28 18:29:48 | さみしさBOX
徳島市山城公園 秋のときめき

「素敵なときめき」

庭木の梢 愛宕柿の渋さ
秋風に爽やかなそよぎ
身近に見える秋風に少し安心

何キロも離れた林の梢
遠くて秋風の動きを掴めないから不安 
紅葉は秋空に映えて烽を上げるから
距離は縮まり身近に感じて安心のときめき

ときめくのは素敵です
秋風は人恋しくてときめきを求めてる
ぬけるような秋空に一筋の飛行機雲
青空へ消え行く航跡 美しく輝いて見えるんです

人は苦悩の季節を乗り越えて
一生懸命生きている人に
心は紅葉のように燃え上がり
素敵なときめきを感じてしまう