
「自分探しの空」
タンポポ綿毛
風に煽られて行方不明の空
白鷺はっと風まかせ綿毛を急襲し急降下の水田
自らの白さを泥に打ち付けて
前へ前へ苛立ちを跳ね上げる
前へ前へ進めど泥色は染まらず
白さを脱却して濃厚な色味
次の空を七色の羽根で飛ぶ願望
なかなか到達できない遠さに苛立たしさ
悠然と流されるタンポポ綿毛に苛立ってしまう
大空から低空飛行
水田鏡に我を確認
すっと飛ぶまでの記憶がはしった
毎日 楽々と餌へ
のたうつほど考えあぬき
やっとこさ餌にありついた記憶なき今を鳴くしかなかった
はっと方向を空へ
上昇気流に身をまかせたうえ
挑むように果てしない空へ
ふたたび生きようと鳴いた
