フェルディナンド
肉体は美しい
血肉をおおう皮膚
必要とするだけの毛髪
皮膚のスベスベ感
膚と称する美的表情
鳴き声をあげたくなる
鳴き声を聴かせられない
童話のフェルディナンド
酪農飼育されている雄牛
実在のフェルディナンド
体格 性格 優しさフェルディナンド
童話作者は知らんふり
地球に飼育されている事実
子供に反戦を読み解いて心理を突き放す
雄牛の体臭 引っ掻けば血も滲む 命よフェルディナンドと幾世紀をたぶらかした
黒い毛だらけの皮膚を断り
皮膚ツルツル美感を命の証と誇る
童話作者の面々は自己認識
フェルディナンド童話を異次元に完全追放してこそ
フェルディナンド命よ
フェルディナンド童話
最終章にフェルディナンドは追いこんでくる