望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ひとりごとサンタ

2020-12-06 17:07:19 | 燦々創成期

ひとりごとサンタ

鉄製ドア 重たい冷感
経年 手垢に窓は曇り空
コンクリート部屋は冷たい水底
手足をバタバタ
手足をバタバタ 水面に達してサンタを真似する夢の夢
足元から震え白髭に鼻水
独居老人は無口に目覚める

年格好はサンタクロースに相似
白髭白髪 痩せた後ろ姿 
一人暮らし 気まま自由
水底に沈んでしまう自我喪失を断じる
鉄窓越し 樅ノ木に積もらぬ雪でよい
独居老人はコンクリート部屋に言い訳をもたぬ

言い訳を浮かべようにも
石ころを投げた波紋
12月ひとりごと樅ノ木へ残った