望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ひとりごとサンタ

2020-12-06 17:07:19 | 燦々創成期

ひとりごとサンタ

鉄製ドア 重たい冷感
経年 手垢に窓は曇り空
コンクリート部屋は冷たい水底
手足をバタバタ
手足をバタバタ 水面に達してサンタを真似する夢の夢
足元から震え白髭に鼻水
独居老人は無口に目覚める

年格好はサンタクロースに相似
白髭白髪 痩せた後ろ姿 
一人暮らし 気まま自由
水底に沈んでしまう自我喪失を断じる
鉄窓越し 樅ノ木に積もらぬ雪でよい
独居老人はコンクリート部屋に言い訳をもたぬ

言い訳を浮かべようにも
石ころを投げた波紋
12月ひとりごと樅ノ木へ残った







冬月に輝かん

2020-12-02 12:44:56 | 燦々創成期

冬月に輝かん

月夜に凍える心境 
肌は森に生えて無垢なシワ
冬空を月を寒い心境 
雪雲を肌に月はたおやか
霜降りる稲株に白い艶色の三日月にあり

鋸山の旅路にありて心境
寒風の隙間にビニールは尾を垂れる ハウスに温もりて月見草に肖ろう
荒涼と寂寞 師走の満月に温もる根なし草

月色はたおやか 光沢のカーテンをおろして照る 
我は寂寥をなだめ透かされて福寿草に輝かん