団地夫婦の日々

常盤平団地夫婦の54年、団地内で気付いた事を時々に、妻の料理、私の買い物等

戦後闇市の露店

2014-03-23 09:27:18 | 日記
高田馬場駅から早稲田方面に300m位続く闇市の露店は毎日賑やかでした。色々な店が有った様ですが、子供の頃のことで余り覚えていません。その中で何時も人だかりしてたのが、一軒の万年筆屋さんです。4角いテントの屋根、間口2m程の広さの店の真ん中に中年の店主、何と言うかミシンのような、機械の先に万年筆の軸になる棒状の材料をセットして、ロクロのように回しながら器用に丸く削って行く、熟練の技に皆見惚れてました。外から見えないのですが、足踏みミシンのようになってたようですが、それを感じさせない技術、私の目線より高い位置にいて、とても偉い人に見えたもんです。店主の身の周りに整然と並べられた沢山の万年筆が輝いて見えたのです。又ペン先を虫眼鏡で磨く仕事振りも立派な技術屋に見えて、こう言う人も居るんだと・・柔和で明るい顔、気さくに学生達と話し合う店主でした。大人達、早稲田大学の学生達も、この店の万年筆を使って、何でも書ける戦後の時代を過ごした事でしょう。・・何年か後に闇市の露店が消えた後、今の明治通りロータリーの角に、この人が店を移して早稲田へ通う学生達をお客さんに営業されて繁盛してたようです。私も早稲田中学に通うように成りましたが万年筆は当時の中学生には高くて親から買っては貰えなかった。今そこにお店が有るかどうかは解りません・・