団地夫婦の日々

常盤平団地夫婦の54年、団地内で気付いた事を時々に、妻の料理、私の買い物等

常盤平団地の52年5 黴てしまった乾燥芋

2017-01-08 20:12:43 | 日記
妻の故郷は茨城県ひたちなか市勝田で実家は農家ではないが、近所、親戚は農家が多く昔から乾燥芋の産地である。毎年暮れになると、当地方の梨のお返しに皆さんが送って下さる。保存食故、ご近所にお分けして喜ばれている?昔と違って乾燥芋もサツマイモの種類も白っぽいものから黄色い芋に変わって、随分美味しく加工され、スーパーとか道の駅とかで密閉された袋に入って売られているが、結構値段も良いので余程好きな人で無いと買わないではないか、第一干しイモの作られる時期は美味しいサツマイモが焼き芋や、蒸しイモで出回るからだと思う。
さて、真っ先に送られてきた乾燥芋の半分近くが最近流行の丸干し芋、剥いた小振り?のサツマイモを丸の儘天日に干す、どの位日数掛けて干すのか訊いてないが、薄く切った芋に比べて、当然乾きが遅い、それでも薄い芋の何倍か知らんが干すらしい、農家にもよるだろうが我が家に毎年送られて来る芋は、薄い芋と一緒に送られて来る、我が家でも送られて来たその日に物置にしまい込む、去年から今年にかけて冷え込む日が続いていたので安心して物置に、それでも先に近所に配るのも食べるのも丸干しと決めて毎日のように減らしていったのだが、遂に正月5日、黴が出て仕舞った・・・お餅の黴と比べてチョッと黒いような白いような、紛れもないカビである。10個余り、妻以上に乾燥芋に愛着が、いや執着と言っていい、戦争中、戦後と私達が生き延びたのは、あの決して旨いとは言えなかった只増産用の巨大なオキナワ(切り口からキクイモといってた)、イバラギ?その後の農林1号だった。母と一緒に行った買出し先農家の嫁が内緒で「明日金時を掘る・・」と聞いて今日のオキナワ芋5貫目、私は3貫目を背負って東村山から高田馬場のバラックの自宅へ帰って、家族に母が明日又「金時を買いに行ってくる」値段なんか高いに決まっている。でも金時と言うだけで家族全員ワクワクした。そんなサツマイモ執着の経験が底に有ったのである。
黴て残った丸芋、私としては久々の包丁を使い、表面に付いた黴を、私としては丁寧に削ぎ取り又ポリ袋の上に並べて翌朝陽が差し始めて直ぐベランダに出して、天日干し開始、でも私も団地では初めての事、お向かいの屋上からカラスの目が光っているように思え、時々舞うように飛んで来る雀も警戒、窓越しに見張りを続け、5分おきに寒空にベランダへお芋を引っ繰り返して、万遍なく陽に充てる、そして半日表面がやや乾いた感じのお芋を屋内に、今日のお昼は丸干し乾燥芋と伊方ミカンで済ましちゃった。団地の冬空は快晴乾いた空気、強い日差しは丸干し芋に最適!

戦後、蒸した農林1号を平たく切って板の上で干して乾くまで待てず片端から食べて仕舞った半乾き芋と同じく丸芋は旨かった。ご馳走様!