平成29年5月27日22時35分、私は京阪本線森小路駅に降り立った。
この駅から目指したのは旭区民センターです。
そう「リレー・フォー・ライフ・ジャパン大阪あさひ」(略:RFL)に参加するためです。
この区民センターのすぐ近くにあるうどん屋さん、「うどん蔵十」の大将から、
このチャリティーイベントの事を教えて頂き、今回が3度目の参加となります。
RFLについては下の画像をご覧下さい。
私は前回から、フリーウォークに参加し、開催当日の夜から翌朝まで歩いています。
がん患者の多くが、不安な夜を過ごしていると聞いていた事もあり、
その人達に寄り添うような気持ちで夜通し歩く事を決意したのです。
今回もその決意を持って歩いていました。
会場に入り、歩き始めてすぐに蔵十さんの大将ご夫妻と遭遇。
暫くの間、ご夫妻と一緒に歩いていましたが、大将ご夫妻は翌日の営業に備えて帰宅。
それからは、私ひとりで歩きました。
そんな時でした、このイベントを立ち上げ、
昨年まで実行委員長だった久保田一男さんと一緒に歩く機会が出来たのは。
一緒に歩いている時、久保田さんから貴重なお話を伺う事が出来ました。
それは久保田さんのご子息のお話しです・・・。
私はご子息の話しを聞いて、恥ずかしくなりました。
ご子息の人生を何も知らずにいた事に、私は恥ずかしくなったのです。
久保田さんのご子息、久保田鈴之介さんは、
2013年1月30日に18歳の若さでお亡くなりになっています。
鈴之介さんは中学2年生の時に小児がんの一種「ユーイング肉腫」を発症。
「ユーイング肉腫」は原発性悪性骨腫瘍の一つで、発症年齢は10歳から20歳に集中しているそうです。
関節部分から遠い骨の中心に病気が起こり、
骨の腫瘍にもかかわらず、骨の外への進展が速く、痛みや周囲の腫れがとても強いとの事です。
鈴之介さんは中2の夏前に発症し、骨の切除など激痛を伴う治療を繰り返しされました。
そんな中でも高校進学を諦めずに、強い吐気や痛みに耐えながら勉強し、中3の4月、無事に退院。
そして見事、大阪府立大手前高校に合格されたのです。
だが、高校2年生の9月に再び発症。
ただ、そんな状況の中でも、鈴之介さんの心は常に未来へ向かっていました。
大学生になる事、医療に携わる職業に就くことを目指し、闘病生活の中、勉学に勤しんでいたのです。
勉学だけではなく、剣道部の主将でもあった鈴之介さんは、闘病の中でも試合に出続けたそうです。
その姿は多くの人の心に刻まれています。
(鈴之介さんは中学の時も剣道部で、その時の後輩に蔵十大将の息子さんもいらっしゃいます。)
闘病生活の中、高校生には院内学級の制度が無いため、勉強の遅れや、大学進学などの不安・・・。
勉強をしたいのに、勉強以外の事で悩まなければいけない現状を鈴之介さんは目の当たりにします。
鈴之介さんは自身の事よりも、これから闘病生活で入院される高校生や仲間の為を思い、
病院内でも安心して勉強ができる制度を導入するよう大阪市へメールで要望しました。
実は、鈴之介さんのお通夜の時に配られた冊子本を、父親の一男さんから授かりました。
その冊子本の中に、大阪市へ宛てたメール(要望)の全文が記載されています。
この鈴之介さんの要望に対して、当時の大阪市長だった橋下徹さんの返答が以下の手紙です。
この事はマスメディアにも取り上げられています。
鈴之介さんのメールの中で、大阪府の院内学級の制度についても触れられています。
この件、父親の一男さんから聞いて、私も初めて知りました。
院内学級は病院の近くにある小中学校や、支援学校が母体となっているのです。
ですから病院から離れた場所に住んでいる子供たちは、院内学級に入る為、転校する事になるのです。
私立の小中学校なら退学してから院内学級へ入る事になるのです。
これがどういう事かというと、病気が治っても、元の学級に戻る事が出来ない場合があるという事です。
鈴之介さんは、病気が治った時に、子供たちが孤独にならないように、
二重学籍(院内学級と在籍していた小中学校の両方に籍を置く)制度を要望されています。
「仲間のためにも勉強できる環境を。」
「行動せえへんかったら何もかわらへん。」
上の二つの言葉は、鈴之介さんの言葉です。
その後、鈴之介さんは今度は国へ要望を出します。
闘病しながらも、高校や大学、あるいはその先の未来を見据えながら勉強している学生達に、
病院内でなんの不安もなく勉強ができる環境を作る事。
難病で助成金を必要としている人達が、なんの心配もなく、完治するまで助成金が受けられる制度を作る事。
鈴之介さんの思いは、現在、ご両親によって受け継がれています。
鈴之介さんの先輩や後輩、多くの仲間達にも受け継がれています。
「行動せえへんかったら何もかわらへん。」・・・この言葉を胸に。
当ブログをいつも読んで下さっている皆様へ。
当ブログと読者との関係は、単にうどんだけで繋がっているとは、私は思っていません。
喜怒哀楽を共有する、人として繋がっていると、私はそう思っています。
読者の皆様へお願いです。
この記事をSNSなどで拡散していただけたら幸いです。
上の画像に記載されている「遠隔授業システム」ですが、
学校と病院をインターネットで結び、院内で、学校と同様の授業を受けることが出来るシステムです。
残念な事に、教師が画面に映りたくないという、
そんな理由で、要望を受け入れてもらえないという現実があります。
要望を受け入れてもらう為には、読者の皆様の声と力が必要なのです。
読者の皆様の心に、鈴之介さんの思いが届く事を、私は祈っています。
リレー・フォー・ライフ・ジャパン2017 大阪あさひ
http://relayforlife.jp/osaka-asahi/
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